【AFP=時事】中国がオーストラリアに対する苦情をまとめたリストを豪メディアに配布したことをめぐり、スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相は19日、中国の圧力には屈しないと強調した。
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ある中国政府当局者が18日、14の抗議項目が列挙された文書を豪メディアに配布。主要3メディアに対し「中国を敵だとするならば、中国は(オーストラリアの)敵となる」と言ったと報じられている。
抗議項目には、オーストラリアの厳格な外国による干渉を防止する法律や、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ、Huawei)」の第5世代移動通信システム(5G)からの排除、「国家安全保障を理由に」中国の投資計画を阻止する決定などが含まれる。
モリソン氏は、この「非公式文書」は駐豪中国大使館が配布したものであり、これによりオーストラリアが「国益に沿って法律や規則」を制定することをやめるつもりはないと主張。チャンネルナイン(Channel Nine)に対し「外資規制や5G通信網の構築、内政干渉を防ぐ制度の運用方法などを、われわれ自身が決定するということについて譲歩はしない」と述べた。
さらに抗議項目には、豪政府が中国の内政に「絶え間ない理不尽な干渉」を行ってきたという主張も含まれている。一方で中国は、豪政府が新型コロナウイルスの発生源について独立機関による調査を求めたことについて、オーストラリアが米国の反中国キャンペーンに加担し、偽情報を拡散したと非難している。
モリソン氏は17日、菅義偉(Yoshihide Suga)首相と会談し、防衛協力強化を大枠で合意した。これは、アジア・太平洋地域で海洋進出を強める中国を念頭に置いているとみられている。【翻訳編集】 AFPBB News