【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)は20日、日米などで新型コロナウイルスの治療薬として承認されている抗ウイルス薬「レムデシビル」について、症状の軽重にかかわらず新型コロナ患者には使用しないよう勧告した。
致死率などの改善効果は実証されていない一方、副作用の可能性や医療現場の負担の問題があるためという。
WHOは先月すでに、主導する国際的な治験では、入院患者への効果が「ほとんどないか、全くなかった」との暫定結果を発表していたが、不使用の勧告は出していなかった。
勧告を盛り込んだガイドラインを策定した専門家委員会は、メリットがないことが証明されたわけではないものの、副作用の可能性やコスト、静脈注射が必要で医療リソースへの負担があることを考慮し、勧告が必要と結論付けたという。ただ、今後も検証を続けることは支持するとしている。