東京都渋谷区のバス停で路上生活者の大林三佐子さん(64)が頭を殴られて死亡した事件で、警視庁捜査1課に傷害致死容疑で逮捕された近所の職業不詳、吉田和人容疑者(46)が「事件前日にお金をあげるからバス停からどいてほしいと頼んだが、断られて腹が立った」と供述していることが捜査関係者への取材で判明した。捜査1課は一方的に不満を募らせて暴行を加えたとみている。
吉田容疑者の逮捕容疑は16日午前4時ごろ、渋谷区幡ケ谷のバス停のベンチに座っていた大林さんの頭を殴り、外傷性くも膜下出血で死亡させたとしている。調べに「まさか死ぬとは思わなかった」と容疑を認め、「痛い思いをさせればいなくなると思って、持っていたポリ袋で殴った。ポリ袋に入れていたペットボトルだけでは軽いと思い、現場近くで拾った石を入れた」と供述しているという。捜査1課は22日、東京地検に送検した。
吉田容疑者は実家の酒店を手伝いながらボランティアで地域のごみ拾いなどをしていた。事件当日は散歩に出た際に大林さんを見かけたとみられている。【土江洋範】