流動性・ワクチン・業績の3拍子、KOSPIを過去最高に引き上げた


韓国総合株価指数(KOSPI)が2600を超え株式市場の歴史を塗り替えた。23日のKOSPIは前取引日より49.09ポイント(1.92%)上がった2602.59で取引を終えた。2018年1月29日に取引時間中に2607.10を記録したことはあるが、終値基準で2600を超えたのは今回が初めてだ。

13取引日連続で買い攻勢を続ける外国人投資家の力が大きかった。継続するウォン高傾向が外国人投資資金を引き込んでいる。この日4.33%上昇し最高値を更新したサムスン電子は時価総額が初めて400兆ウォンを超え402兆9603億ウォンとなった。SKハイニックスが3.31%、LG化学が3.31%など大きく上がった。韓国取引所は「新型コロナウイルスワクチンへの期待感が続く中でウォン高の影響などにより外国人投資家の買い傾向が流入しKOSPIが過去最高で引けた」と分析した。

主要証券会社リサーチセンターの分析を見れば短期急騰にともなう疲労感よりは来年までの期待感が上回っている様子だ。来年の見通し報告書を出した証券会社13社の2021年KOSPI予想範囲上段は「2630~3000」だ。

根拠は大きく3つある。各国の浮揚策により豊富になった流動性が最初に挙げられる。投資家は超低金利環境でこれといった投資先を見つけられずにいる。3月から先月まで個人投資家が買い越し規模総額49兆7860億ウォンで韓国証券市場の流動性市場を牽引したとすれば、今月からは外国人投資家がそのバトンを受け継いだ。

最近のウォン高傾向が外国人投資家の流入に友好的な環境を作っている。23日のソウル外国為替市場で為替相場は前日より3.90ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1110.40ウォンで取引を終えた。1カ月前より40ウォンほどウォンが上がった。ウォンの価値が上がれば外国人投資家は韓国の株価上昇にともなう収益以外にも為替差益を得られる。米大統領選挙で民主党のジョー・バイデン候補が勝利し強力な浮揚策を実施する可能性が大きくなったことが影響を及ぼした。新韓金融投資のキム・チャンヒ研究員は、「ウォンは追加浮揚策編成と景気反騰が現れる来年1-3月期に再び上昇するだろう」と話す。

新型コロナウイルスが長期化し、相次いでワクチン開発のニュースが聞かれ投資家が感じる衝撃の強度も以前より減った。3月には証券市場が大きな衝撃を受けたが、第2波、第3波が到来した8月と現在の証券市場は静かな反応だ。エコノミストのイ・ジョンウ氏は「衝撃が繰り返され投資家の反応が変わってきた。景気反騰が近づいたという判断も影響を及ぼしたとみられる」と話した。NH投資証券のピョン・ドクヒョン資産管理戦略部副部長は「韓国は国内総生産(GDP)の70%以上が輸出から出る国。韓国の新型コロナ感染再拡大傾向と海外輸出は関連性が大きくない」と話した。

業績に対する期待感も一役買った。今年は最悪の1年間を過ごしているが、サムスン電子など大型株の実績は悪くなかった。本格的な景気回復が期待される来年には業績がさらに良くなるかもしれない。ハイ投資証券のチョ・イクチェ研究員は「過去最高水準だった2018年には至らないが過去2年の営業利益よりは増加するだろう」と話した。カカオペイ証券のイ・サンミン研究員とチョン・ジョンヒョン研究員は「非対面に代表される上半期は『対案がない』市場だったが、来年は『対案が豊富』な市場で、ITと景気敏感株が牽引し推進するサイクルが久しぶりに戻ってきた」

だが祝砲を撃つには早いという指摘も少なくない。エコノミストのイ・ジョンウ氏は「来年に対する期待感が今年の指数にあらかじめ反映されたものとみられる。景気回復速度が期待に満たなかったり新型コロナウイルスが長期化しかねないという点に留意する必要がある」と話した。

流動性回収時期が近づくという点も懸念すべき点だ。チョ・イクチェ研究員は「各国の緩和政策は簡単に後退しないだろう」としながらも「悪材料が消え始めれば各国の中央銀行が先に手を引くかもしれない」と指摘した。

最近急上昇した一部銘柄は短期急騰にともなう売りがあふれる可能性がある。投資家の立場では業種別の選別も必要だ。ハナ金融投資のイ・ジェマン研究員は「結局流動性主導の市場が業績主導の市場に転換できるかにかかっている。輸出増加率がベース効果を基に明確に改善するかをしっかりと見なければならない」と話した。



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