【ワシントン=横堀裕也】米国のトランプ大統領は23日、ジョー・バイデン前副大統領の政権発足へ向けた移行準備への協力を容認する意向を初めて示した。大統領選の結果については、依然として敗北を認めない姿勢を明確にした。
米メディアによると、連邦政府施設・予算の使用を管理する一般調達局(GSA)が、政権移行へ向けた準備作業の開始を認めた。トランプ氏は「国家の利益を最優先し、必要とされる手はずを取るべきだと(GSAに)勧告する」とツイッターに投稿した。一方で「法廷闘争を継続し、最終的には勝利する」と徹底抗戦の構えを崩さなかった。
バイデン氏は政権発足へ向けた準備を加速させており、23日は政権入りする閣僚の一部を発表した。
国務長官にはアントニー・ブリンケン元国務副長官(58)、国家安全保障担当大統領補佐官にはジェイク・サリバン元副大統領補佐官(43)を起用する。どちらもオバマ前政権で外交分野の要職を務めた。
また、新たに気候問題担当大統領特使のポストを創設し、ジョン・ケリー元国務長官(76)を指名した。気候変動問題で主導的役割を果たす意欲を内外に示す狙いとみられる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、財務長官にはジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)前議長(74)を起用する方針だ。就任すれば初の女性財務長官となる。週内にも正式に発表される見通しだという。