新型コロナウイルスの世界の感染者が6000万人を超えた。特に欧米各国での感染拡大に歯止めがかからない。そんな中、トルコ政府が11月25日に発表した「感染者数」に注目が集まっている。トルコ政府は7月下旬以降、症状がある「患者数」のみを公表し、陽性でも無症状の人はカウントしてこなかった。しかし、ついに日本や欧米など多くの国と同じく、無症状でも陽性が確認された人を含む「感染者数」の発表に踏み切った。その数、2万8351人。同日、症状がある「患者数」は6814人だったことから、およそ4倍だ。医師会や野党はこれまでも政府が感染の実態を隠していると批判し、陽性者全体の数を発表するよう追求してきたが、コジャ保健相は記者会見で今回の発表を「国民の要望に基づいて発表した」と説明した。4カ月公表しなかった「感染者数」をなぜこのタイミングで発表したのか?そこには、世界各国のワクチン獲得競争が激しさを増す中で、トルコが抱えるジレンマが垣間見える。
【画像】記者会見するコジャ保健相を描いたイラスト