[ワシントン 4日 ロイター] – ロイターの集計によると、3日時点の米国の新型コロナウイルス新規感染者は21万3800人強、死者は2861人に達した。専門家は1日当たりの死者が近く3000人を突破する恐れがあると警鐘を鳴らしている。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は4日、NBCのニュース番組「トゥデイ」に対し、11月終盤の感謝祭の休暇中に米国内で多くの移動があったことを受け、今後2─3週間中に感染者の急増が見込まれるほか、クリスマスに向けた買い物や集まりが感染をさらに拡大させる恐れもあると予想した。
「ワクチンを巡りトンネルの終わりには明かりが見えてきたが、まだ到達したわけではない」とくぎを刺し、感染拡大抑制に向けた衛生上の措置を強化する必要があると強調した。
また前日に、英規制当局による米ファイザーの新型コロナワクチンのスピード承認を批判したことについては、英テレビ司会者の勝ち誇った口調での質問に反応したにすぎなかったと説明した上で、あのように対応すべきではなかったと述べた。
バイデン次期大統領は前日、ファウチ所長に現職にとどまり、次期政権の新型コロナ対策チームで首席医療顧問を務めるよう要請。ファウチ氏は快諾したと明らかにした。
バイデン氏はさらに、CNNとのインタビューで、就任後のコロナ対策として、連邦政府機関の施設内や、飛行機やバスなど各州間の移動でマスク着用を義務付ける方針を示したほか、100日間のマスク着用を国民に促すと表明した。
米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)の予測によると、米国の新型コロナ感染症による死者数は来年4月1日までに約53万0893人に達する見通し。
ワクチンが承認された場合、死者数は予測レベルから約1万─最大1万1000人減少する見通しである一方、マスクを着用する米国民が来週にも95%に増えれば6万6000人減少する可能性があるという。