【AFP=時事】中東地域の安全保障をめぐる国際会議「マナマ対話(Manama Dialogue)」で6日、サウジアラビア政府中枢に近いとされるトルキ・ファイサル王子(Prince Turki al-Faisal)がイスラエルを激しく非難し、パレスチナの大義への強い支持を表明した。オンライン参加していたイスラエル外相は、遺憾の意を示した。
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イスラエルをめぐってはアラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンが今年、数十年にわたるアラブ諸国間の合意に反して国交を回復し、パレスチナ側から「裏切り行為」だと非難されている。
元サウジ情報機関トップのトルキ王子は、いつになく歯に衣着せぬ物言いで、イスラエルが「自国を地上から消そうとしている血に飢えた殺人鬼に囲まれ、存在を脅かされている小国」のように振る舞っていると批判。「それでいて、サウジアラビアと友好を結びたいと公言している」と述べた。
さらに王子は、イスラエルを「欧米の植民主義勢力」と評し、パレスチナ人の集落を破壊して強制移住させてきた歴史を指摘。パレスチナ人が「薄っぺらい治安上の言い掛かりを付けられ、司法に頼ることもできないまま強制収容所に捕らわれている」一方で、イスラエル当局は「好き勝手に民家を破壊し、思うがままに誰彼構わず暗殺して回っている」と非難した。
サウジアラビアとイスラエルは近年、ひそかに親交を深めてきた経緯がある。トルキ王子の発言後、程なくして発言の機会を得たイスラエルのガビ・アシュケナジ (Gabi Ashkenazi)外相は、「遺憾」だと述べた。
トルキ王子は、発言は個人的見解だとした上で、米国の仲介でUAEとバーレーンがイスラエルと締結した国交正常化のための平和協定「アブラハム合意(Abraham Accords)」について懐疑的な見方を示し、「開いた傷口は、苦痛緩和剤や鎮痛剤では治せない。アブラハム合意は、神の言葉ではない」と語った。
米国はサウジアラビアにもアブラハム合意への調印を強く求めている。【翻訳編集】 AFPBB News