現代ロテムは10日、これまで日本製部品に依存してきた水素抽出機の国産化比率を80%まで引き上げたと明らかにした。来年3月までに消耗性資材である触媒剤を除いたすべての部品の国産化を完了する計画だ。
【写真】韓国産水素電気トラム予想図
現代自動車グループの鉄道・防衛産業・産業プラント系列会社の現代ロテムは今年に入り水素充電インフラ事業に本格参入した。特に日本製部品の割合が高い圧力スイング吸着容器(PSA)の国産化を完了したと強調した。PSAは水素抽出機で生産された水素の不純物を取り除き高純度の水素を抽出するのに重要な役割をする装置だ。
水素抽出機だけでなく、水素を高圧で圧縮する圧縮機、車両に水素を注入するディスペンサーなど水素ステーションの構築において輸入依存度が高い核心設備も来年までに独自モデルを開発する計画だ。
◇輸入部品より15%以上のコスト削減
圧縮機とディスペンサーまで国産化を完了すれば輸入部品を使うより15%以上コストを節減できるものと現代ロテムは予想している。また、部品国産化は水素ステーションの安定した運営と円滑な維持管理が可能で、水素ステーション市場で競争力を確保できる見通しだ。
現代ロテムは5月に忠清北道忠州(チュンチョンブクド・チュンジュ)と江原道三陟(カンウォンド・サムチョク)で水素抽出機3台を受注して水素ステーション設備供給事業を本格化した。6月には忠清南道唐津(チュンチョンナムド・タンジン)水素出荷センターを受注し水素流通事業にも進出した。
7月には京畿道義王(キョンギド・ウィワン)の研究所に年間20台の水素抽出機を生産できる工場を着工した。現代ロテムは来年約2500億ウォン規模と予想される自治体と民間が発注する水素抽出機・水素ステーション入札にも参加する計画だ。
◇水素ステーションに水素電気トラム事業も
現代ロテム関係者は「韓国の水素ステーション産業は市場形成初期段階で、海外部品がほとんど。水素ステーション設備技術の国産化で設計・施工・メンテナンスまで安く統合ソリューションを提供し、国産化過程で大企業と中小企業間の共生構図を用意したい」と話した。
現代ロテムは水素電気トラムも開発している。8月に蔚山市(ウルサンシ)と韓国初の水素電気トラム導入に向けた了解覚書(MOU)を締結しており、水素電気トラムと水素ステーションをともに供給する計画だ。
韓国政府は昨年1月に、2040年までに国内の水素電気自動車累積290万台、水素ステーション1200カ所構築などを骨子とする「水素経済活性化ロードマップ」を発表した。今年10月には水素ステーションを2022年までに310基、2025年までに450基構築するという計画を発表するなど、水素事業を積極的に育成している。