[ワシントン 15日 ロイター] – トランプ米大統領の助言役の一部が同氏に対し、国防予算の大枠を定める総額7400億ドルの国防権限法案(NDAA)への拒否権発動見送りを促していることが事情に詳しい関係筋の話で15日、明らかになった。拒否権を発動しても議会で覆されるのがほぼ確実なためだという。
トランプ氏は、アルファベット傘下グーグルやツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディア企業に免責を与える通信品位法230条の撤廃を盛り込んでいないことを理由にNDAAに反対し、拒否権発動を予告してきた。
NDAAは上下両院で拒否権を覆せる3分の2以上の賛成を確保し、通過した。実際に発動された場合も覆される公算が大きい。
ホワイトハウス内外の助言役の一部は非公式にトランプ氏に拒否権を発動しないよう促した。そこから得るものがほとんどないだけでなく、ジョージア州の上院2議席の決選投票に悪影響を及ぼす可能性を理由に挙げたという。
1月5日の決選投票で共和党候補が2人とも負ければ、民主党が上院の多数派を奪還することになる。
トランプ氏は今月23日までにNDAAに署名するか、拒否権を行使するかを決定する必要がある。
マクナニー大統領報道官は15日の記者会見で「トランプ氏は依然としてNDAAに拒否権を発動するつもりだ」と述べた。