外国人投資家が韓国株を3カ月連続で売り越したが、債券投資は大きく増やしたことがわかった。外国人投資家の韓国債券保有規模は過去最大を記録した。
金融監督院が8日に明らかにしたところによると、外国人投資家は先月、韓国上場株式を3兆2430億ウォン(約3110億円)相当売り越した。昨年12月から3カ月連続の売り越しだ。金融監督院は「米国債利回り上昇にともなう市場不安心理拡大が影響を及ぼした」と分析した。
これに対し債券買い入れは増やした。先月は韓国上場債券に8兆9880億ウォンを買い越しした。金融監督院が月別の外国人投資家買い越し規模を集計してから過去最大規模だ。1月の1兆1580億ウォンの8倍近い。満期償還額3兆960億ウォンよりはるかに大きい規模となる12兆840億ウォン相当を買い越した結果だ。
上場債券は韓国取引所で取引される国債や通貨安定債券などを指す。外国人投資家は1月から2カ月連続で買い越しに出ている。
◇9兆ウォン買い越し…保有額161兆ウォンで過去最大
投資家別に見ると、アジアが3兆6450億ウォンで買い越しが最も多く、欧州が2兆6180億ウォン、中東が1兆450億ウォンの順だった。債券の種類別では国債が6兆3900億ウォン、通貨安定債券が2兆5680億ウォンなどを中心に投資された。これに伴い外国人投資家の債券保有額は先月末基準161兆5000億ウォンで、過去最大を記録した。全上場債券の7.7%を外国人投資家が保有していることになる。
外国人投資家が韓国の債券を買う理由は、経済のファンダメンタルズが良好でありながら金利魅力度は相対的に高いためと分析される。資本市場研究院のイ・ヒョソプ金融産業室長は、「韓国の債券は信用リスクに対し金利レベルが魅力的で期待収益率が良い方だ」と説明した。
韓国の国債格付けはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の評価基準で「AA」で、英国やフランスなどと同じだ。金利は比較的高い方だ。韓国の10年物国債利回りは現在1.9%台で、米国の1.58%、日本の0.1%、ドイツのマイナス0.31%など先進国だけでなく、オーストラリアの1.77%など主要新興国より高い。
ウォンの価値が下落しただけに為替差益を狙った需要が大きくなったものという分析も出ている。ウォン相場は昨年末の1ドル=1090ウォン前後から1120ウォン台半ばにウォン安が進んでいる。外国人投資家が韓国債券に投資するためには外貨をウォンで一定期間交換(スワップ)しなければならないが、この過程で外国人投資家は一種の為替プレミアムを得る。イ・ヒョソプ室長は「ウォンが長期的にはウォン高に振れるとみて為替プレミアムへの期待が作用した」と話した。
外国人投資家が債券を買っているのに金利はなぜ上がるのか。通常は債券を買う人が多ければ債券価格は上がり金利は下がる。これに対しメリッツ証券のユン・ヨサム研究員は「世界的に債券市場が劣勢で韓国もその基調に連動される。韓国の景気も不確実性はあるが、良くなるとみて外国人投資家が債券を買っているもの。韓国の投資家は市場が劣勢で積極的に対応できない部分もある」と話している。