イエレン米財務長官
イエレン米財務長官が金利引き上げに言及した。4日(現地時間)米時事誌アトランティックが開催した未来経済サミットのオンライン事前録画インタビューでのことだ。昨年3月に米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を事実上ゼロ水準(年0~0.25%)に引き下げてから1年2カ月ぶりだ。
イエレン長官はインタビューで「追加的な財政支出は、米国の経済規模と比較して相対的に小さいかもしれないが、とても緩やかな金利引き上げにつながりかねない」と話した。また、「米国経済が過熱しないよう金利が多少上げなければならないかもしれない」と付け加えた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「バイデン政権が提出した4兆ドルを超える追加財政支出案が議会を通過すればFRBが政策金利を引き上げなければならないと話したもの」と伝えた。
イエレン長官の発言には政策金利引き上げで実体経済が過熱するのを事前に遮断し物価上昇を抑制するという意味があると同紙は解説した。米国でFRBの固有権限である政策金利決定に対し財務長官が直接言及するのは極めて異例だ。
発言の波紋が大きくなるとイエレン長官は鎮火に出た。イエレン長官は「(金利引き上げを)予測したり勧告したものではない。私はFRBの独立性をしっかり認めている人」と一歩後退した。イエレン長官はオバマ政権時代の2014年2月から2018年2月までFRB議長を務めた。