韓国住居価格、家計負債を増やし過ぎ…「過速スキャンダル」警告
韓国銀行が再び家計負債に注意を呼びかけた。韓銀と米国連邦準備制度(FRS)などが通貨政策を緊縮に転じる方向に少しずつ近付いている。このような時、増えつつある家計負債は経済の「時限爆弾」になり得るというのが韓銀の見解だ。
韓銀は10日、国会に通貨信用政策報告書を提出したと明らかにした。この報告書は、韓国経済の「弱い輪」とされる家計負債に対する懸念を示した。韓銀によると、名目国内総生産(GDP)比家計負債の割合は昨年末103.8%となった。経済協力開発機構(OECD)加盟国37カ国の中で6番目に高い水準だ。
四半期別家計負債の増加率(前年同期比基準)は昨年1-3月期4.6%から4-6月期(5.2%)と7-9月期(7%)・10-12月期(7.9%)に着実に拡大した。家計負債の増加傾向に加速化したのは住宅価格だ。住宅価格の上昇の勢いも昨年1-3月期(1.1%)と4-6月期(2.4%)・7-9月期(4.5%)・10-12月期(7.2%)に続き、今年1-3月期(10.3%)にまで拡大した。
過去1ー3月期を基準に、首都圏の住宅価格対所得比率(PIR)は10.4倍った。所得を一銭も使わずそのまま集めたと仮定すると、10.4年がかかってこそ首都圏で住宅一軒を買えるという意味だ。世界金融危機以前の最高値(2007年1-3月期、8.6倍)を上回る。
一般的に適正水準の負債は経済の「潤滑油」の役割を果たす。資源の効率的配分を誘導できるからだ。だが、負債が増える速度が速く、負債の規模が大きすぎれば、経済活性化に障害になりかねない。経済主導者が利子と元金を返す負担が大きくなれば費用を減らす可能性があるためだ。
国際通貨基金(IMF)は1950年から2016年まで66年間80カ国の資料を分析した。家計負債比率が1%ポイント上昇した年に民間消費は0.23%ポイント増加した。だが、2年が過ぎた後にはむしろ消費は減った。韓国では2014年以降家計負債増加率が所得増加率を上回った。同時に、負債の増加が消費の増加につながる動力が弱くなったと韓銀は分析した。
韓銀は「不動産など特定部門に資金が集まるのは景気変動性を拡大し、成長潜在力を弱める要因として働く可能性がある」と説明した。
漢陽(ハニャン)大学経済学科のハ・ジュンギョン教授は「韓国は消費に役立つ家計負債比率を上回って久しい」として「急増した負債が家計に負担になり、金融市場が不安定になる可能性が大きい」と話した。
韓銀は金融の不均衡が累積しても、直ちに韓国の金融システムの全般が崩れることはないだろうと診断した。政府の融資規制政策で貸出残高/担保評価額(LTV)は減少している。韓銀は国内銀行の資本の適正性と損失吸収の余力が良好だと評価した。
韓国銀行のイ・サンヒョン通貨政策局長は「過去の国内外の事例などからみると、内部の脆弱性が高まっている状況で対外衝撃が発生する場合、景気と金融安定性が傷つけられる可能性があるということに留意する必要がある」と話した。
先月、家計が銀行から借りたお金は1カ月前より1兆6000億ウォン(約1574億円)減った。月間基準で銀行の家計融資が減少したのは2014年1月以降7年4カ月ぶりだ。証券市場の上場を控えて4月末公募株の申し込みを受けたSKアイイーテクノロジー(SKIET)が先月初め、申込証拠金を返還して錯視効果が発生した。
韓銀によると、先月末銀行の家計融資残額は1024兆1000億ウォンとなった。信用融資を含むその他の融資は先月5兆5000億ウォン減少した。韓銀関係者は「申込証拠金用で実行した後に返還した融資は8兆ウォン内外と推定される」と話した。
先月末、銀行の住宅担保融資残額は747兆2000億ウォンだった。前月より4兆ウォン増えた。月間増加幅は4月(4兆2000億ウォン)より多少減った。だが、依然として高い水準だと韓銀は分析している。