◇悪化した評価
21日の証券業界によると、MSCIは指数編入の可否を審査するため年に1度開く定例会議で韓国の新興国指数残留を決めた。これまでと同じく域外外国為替市場がないという点、英文公示資料が不足し企業情報にアクセスしにくいという点、配当金が権利落ち日後に決まる点、外国人投資家の登録手続きが複雑な点などが問題として提起された。
昨年の評価とは2種類が変わった。通信業種内の外国人株式制限49%の緩和の可能性は肯定的に評価した。国会で株式制限を緩和する法案が発議されている。
だが空売り規制問題が新たに提起された。MSCIは「KOSPI200とKOSDAQ150指数に編入されていない銘柄に対する空売り再開計画がない」と指摘した。「市場インフラ」項目内の空売りの点数を「問題なし」から「一部問題、改善可能」とした。市場インフラ部門は韓国が先進国指数基準をクリアできない「市場アクセス性基準」で下位項目だ。事実上評価が悪化した。
ここに企業が配当金を権利落ち日後に決め配当収益を予測しにくいという点も問題にした。これはグローバルスタンダードに合わないというのがMSCIの主張だ。株主還元策を強調するESG(環境・社会・ガバナンス)環境では否定的に解釈されるほかない部分だ。
◇問題は域外外国為替市場
韓国政府がこれまでMSCIの問題提起に消極的に対応するほかなかったのは域外外国為替(現物)市場を置いて意見の相違が狭まっていないためだ。政府は通貨危機を体験したトラウマがあり、外国為替市場には相対的に敏感な方だ。MSCIの要求を受け入れて域外現物市場を開設すれば為替相場の急変動に介入するのが事実上不可能になる。業界関係者は「『外為市場介入』と『先進国指数編入』のうち政府は前者を選ぶ雰囲気なのでMSCI指数編入に消極的にならざるをえない」と話した。
全国経済人連合会はこれと関連し、5月にMSCIに書信を送り「活性化した域内外為市場とノンデリバラブル・フォワード(NDF)市場があるだけに、外国人投資家がウォンを取引するのに不便はない」という論理を展開した。通貨の組み合わせ別の取引規模を見てもドル・ウォン取引が10番目に多いだけに域外外為市場が必ずしも必要ではないという趣旨だ。
これに対してMSCIの態度は強硬だ。先進国指数に編入した23カ国いずれも域外外為(現物)市場があるとし、韓国の意見を受け入れていない。
◇変わる市場環境
問題は時間が韓国に不利に流れているという点だ。市場環境が変わり新興国指数にとどまっていること自体が需給上の悪材料になりかねない。韓国政府がMSCI先進国指数編入の前段階である観察対象国から脱落した2014年にMSCIに追従する世界ファンド資金は3兆5000億ドルだった。昨年末にこれが14兆5000億ドルまで増えた。指数に追従する各国の年金基金の規模が大きくなり増加傾向にある。サムスン証券のキム・ドンヨン研究員は「パッシブ投資資金が増える状況で新興国指数にとどまれば外国人投資家の売り傾向が続く可能性がある。先進国の証券市場が受ける高いバリュエーションは韓国の証券市場も当然受けるべきもの」と強調した。
韓経:韓国、南アフリカより評価低かった…MSCI先進国指数編入ならず(1)