欧州連合(EU)が2050年までに炭素中立の目標を達成するための青写真「フィット・フォー55(Fit For 55)」を公開した。EU執行委員会は14日、12件立法案を発表してEU加盟国27カ国が2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比55%減らすことに約束したと明らかにした。ウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン執行委員長は声明を出して「化石燃料経済は限界に達した」として「われわれは次世代に元気な地球と、自然を害しない良い職場と(経済)成長を残したい」と話した。
EU執行委員会は炭素国境調整メカニズム(CBAM)を導入することにした。EUに輸入される製品の炭素含有量を調査した後、領域内製品より炭素排出量が多ければ超過分に関税を払わせる制度だ。CBAMを導入すれば中国・ロシアが大きい打撃を受けると予想されるが、EUに年間470億ドル(約5兆1700億円)程度を輸出する韓国の産業界も神経を尖らせている。
EUは2026年から鉄鋼・セメント・アルミニウム・肥料などを輸入する会社にも炭素排出費用を課すことにした。これは炭素排出税を避けようと工場を域外に移すことを防ごうとする措置だ。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は今回の計画が石炭・石油・天然ガスなど化石燃料に対する依存度を減らすために工夫されたと説明した。特に、主な汚染原因として指定されたジェット燃料に対しては初めて炭素税が課される。
自動車部門も大きな打撃を受ける部門に選ばれる。委員会は今後14年間、自動車業界に炭素排出量を今年比100%減らす案を打ち出した。2035年からガソリン・ディーゼル車など化石燃料で動く内燃機関自動車販売が事実上禁止されるわけだ。