ソウル・城東区(ソンドング)で18年にわたり食堂を運営してきたソンさん(56)は先月銀行から2000万ウォン(約192万円)を借り入れた。新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年5月に3000万ウォンを借りたのに続く2回目の借り入れだ。今回の借入金は賃貸料と既存の借り入れの利子を払うのに使っている。ソンさんは「新型コロナウイルスで売り上げが減りお金を借りて借金を返すほかない。「それでも7月に入り良くなるだろうという希望を持っていたが、社会的距離確保が強化されこうした希望まで消えた」と話した。
832兆ウォンに達する自営業者の負債の爆発力が大きくなっている。首都圏に事実上通行禁止水準である社会的距離確保第4段階が始まった上に、来年の最低賃金が上がり限界に至ったという声が出ている。
韓国銀行によると、3月末基準で自営業者245万6000人の借り入れ規模は831兆8000億ウォンだ。個人事業者向け貸付541兆ウォン、家計向け貸付290兆8000億ウォンを合わせた数値だ。韓国の企業向けと家計向け貸付の27.1%を占める。韓国銀行が自営業者向け貸付の統計を集計し始めた2012年以降で最大値だ。自営業者は事業者登録をした後に個人事業者向け貸付や、個人資格で家計向け貸付を受けられる。
増加速度と貸付の質が規模よりも心配だ。自営業者の家計向け貸付は1-3月期だけで1年前より18.8%増えた。2012年以降で増加ペースが最も速い。全家計向け貸付増加率の9.5%より2倍近い数値だ。また、レジャー(31.2%)、卸小売(24.2%)、宿泊飲食(18.6%)など新型コロナウイルスで売り上げ減少の衝撃を受けた業種の負債が急速に増えた。
貸付の質も悪くなっている。1-3月期基準で自営業者の銀行貸付増加率は16.2%だ。貯蓄銀行、カード会社、消費者金融など非銀行圏の貸付増加率は24.4%だった。非銀行圏は都市銀行より金利が高い。その結果自営業者の高金利貸付残高は昨年1-3月期の36兆5000億ウォンから今年1-3月期は43兆6000億ウォンと1年で7兆ウォン近く増えた。
その上自営業者のうち3社以上の金融機関から借り入れた多重債務者も急激に増加している。ナイス評価情報によると、個人事業者企業貸付のうち多重債務者は2018年の11万2000人(貸付額87兆ウォン)から2019年に12万8799人(101兆ウォン)と緩やかに増加し、昨年末には19万9850人(129兆ウォン)に急増した。
韓国、自営業者の負債832兆ウォン…借金して借金返す状況も限界に(2)