韓国銀行の李柱烈総裁が5月、ソウル中区韓国銀行で金融通貨委員会本会議を主宰して議事棒をたたいている。[写真 韓国銀行]
韓国銀行が基準金利を現水準である年間0.5%で据え置いた。韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が年内基準金利の引き上げを示唆したが、新型コロナの第4次流行で社会的距離の確保政策が強化され、経済の不確実性が高まったせいで利上げが早いという判断が働いたとみられる。
韓銀金融通貨委員会は15日、ソウル中区(チュング)韓銀本館で通貨政策方向会議を開いて基準金利を現水準である0.5%で据え置くことにした。
輸出好調などに力づけられて国内景気が回復傾向を見せ、物価上昇の圧力が強まっているが、新型コロナの再拡大の中で早すぎた利上げが経済に衝撃を与える可能性があるという判断だとみられる。
市場でもこの日、基準金利が据え置かれるという見通しが優勢だった。金融投資協会が債権市場専門家を対象に先月30日から5日まで実施したアンケート調査によると、回答者100人の中で89人が基準金利の据え置きを見通した。ただし、据え置きを予想した人々は6月金融統委よりは9人が減った反面、利上げを見通した回答者は1カ月前より9人が増えた11人だった。
新型コロナによる不確実性が高まっているが、李総裁が年内基準金利を示唆しただけに市場では10月と11月に開かれる金融統委で基準金利を引き上げるものと予想している。
野村証券は、早ければ8月を皮切りに11月と来年下半期にかけて3回基準金利を引き上げるものと見通した。野村証券のパク・ジョンウ・エコノミストは6日、メディア行事で「韓銀の利上げに対する傍点が景気の要因より金融安定の要因に傾き、来年まで3回引き上げられるものとみられる」と予測した。
世界的な格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、韓国銀行の基準金利の引き上げ時期を今年年末に予想した。S&Pアジア太平洋地域首席エコノミストのショーン・ローチ氏は7日開かれたオンライン懇談会で「韓銀が年末や来年に基準金利を何回引き上げるだろう」と見通した。