サムスン電子ホーチミン家電工場全景。[写真 サムスン電子]
サムスン電子が新型コロナウイルスの影響で封鎖されたベトナム・ホーチミン工場の正常稼働に向け全力を挙げている。ベトナム防疫当局の指針に基づき産業団地内の社員寮の収容人数を増やすだけでなく、大型テントまで設置して宿泊施設を増設している。
サムスン電子が15日に明らかにしたところによると、ホーチミン市当局はサイゴン・ハイテク工業団地封鎖令と関連し、入居企業の新型コロナウイルス対応策を点検する予定だ。正確な日程は確認されていない。サムスン電子関係者は「生産ラインは継続して稼動中だ」と明らかにした。
サイゴン・ハイテク工業団地にあるサムスン電子ホーチミン工場は28万坪規模で、2016年に稼動を始めた。テレビ、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、モニターなどの家電製品を生産してベトナムで販売したり、東南アジア、欧州、米国などに輸出する。従業員数は7000人ほどで、ほとんどが現地人だ。同社によると、これまでこの工場では一部従業員だけが社員寮で生活していた。
◇ホーチミン、海外主要生産基地に
昨年サムスン電子ホーチミン生産法人の売り上げは6兆2732億ウォン、営業利益は4193億ウォンだった。海外家電工場のうち規模や役割などで重要な法人に挙げられ、生産支障にともなう損失の懸念が出たりもした。ただサムスンは稼働完全中断などを心配する段階ではないと認識している。最近サイゴン・ハイテク工業団地で約750人の新型コロナウイルス感染者が発生し、サムスン電子工場でも48人が感染したという。同社によると15日現在サムスン電子工場での追加感染者はいない。
外信が13日に伝えたところによると、ホーチミン市当局が新型コロナウイルス感染者急増を受け、サムスン電子を含む工業団地進出企業に「工場を稼動するには工場内で従業員が宿泊できる施設を用意せよ」との指針を下した。
これを受け、サムスン電子は急いで臨時宿泊施設を作っている。サムスン電子は携帯電話を生産するベトナム北部バクニン省でも同様の指針を受け生産団地内に宿泊施設を設けて工場を稼動している。
LGエレクトロニクス、LGディスプレー、LGイノテックなどLGグループ系列会社の製造工場は新型コロナウイルス感染者が相対的に少ないベトナム東部ハイフォンにあり正常稼働中だ。LGはベトナム政府のワクチン購入費要求に15億5000万ウォンを寄付したがまだワクチン接種はできていない。LGはベトナム政府が感染者が多く発生している所から順にワクチンを供給するとみて順番を待っているという。
現地メディアによると、ベトナムでは14日に2924人の新規感染者が発生した。このうち2229人がホーチミンから出た。