【エプスタイン関連訴訟】英アンドリュー王子、軍役職と「殿下」使用権を失う 性暴力疑惑での訴訟継続/公務に就かず、今回の訴訟では民間人として自己弁護していく

英アンドリュー王子、軍役職と「殿下」使用権を失う

英アンドリュー王子、軍役職と「殿下」使用権を失う 性暴力疑惑での訴訟継続


2022年1月14日

イギリスのヨーク公アンドリュー王子(61)が、軍の役職と慈善団体の後援者の役職を女王に返上した。英王室バッキンガム宮殿が13日、発表した。

王室筋によると、アンドリュー王子は公的な場での敬称「His Royal Highness(殿下)」の使用もやめるという。

エリザベス女王の次男のアンドリュー王子をめぐっては、ヴァージニア・ジュフリー氏(38)が17歳の時に性的暴行を受けたとして、米ニューヨークで民事訴訟を起こしている。王子は一貫してこの訴えを否定している。

王子に近い人物によると、王子は「自分自身を弁護し続ける」と述べたという。

米連邦裁判事は12日、民事訴訟を継続する決定を出した。王子に近い人物は、「ジュフリー氏の訴えについて判断したものではない」と強調した。

民間人として裁判に


英王室は13日、声明を発表。「女王の承認と同意を得て、ヨーク公の軍との関係性と、王室としての後援者の役職は、女王に返上された」、「ヨーク公は引き続き公務に就かず、今回の訴訟では民間人として自己弁護していく」とした。

関係者によると、アンドリュー王子のすべての役職は直ちに女王に返上された。今後、王室の他のメンバーたちが引き継ぐことになる。

また、今回の問題は王室で大きな話題になっているという。

今回、英軍最高レベルの歩兵連隊である近衛歩兵連隊の大佐(Colonel of the Grenadier Guards)の役職のほか、9つの軍役職を返上した。

また、カナダやニュージーランドの軍の名誉職も失うことになる。

ただ、英王室によると、海軍中将の階級は維持されるという。

性暴力疑惑めぐる訴訟


ジュフリー氏は、米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告(故人)と親交のあったアンドリュー王子から、2001年にニューヨークやロンドンなどで3回にわたり性的暴行を受け、「多大な精神的、心理的な苦痛と損害」に悩まされ続けていると訴えている。

裁判所に提出した書類でジュフリー氏は、自らを性的人身売買の犠牲者だとし、エプスタイン元被告に虐待されていたと主張している。

また、別の男性有力者たちに「貸し出される」こともあったと説明。17歳の時、アンドリュー王子とセックスするよう差し向けられたと訴えている。

アンドリュー王子を訴えているジュフリー氏の弁護士デイヴィッド・ボイズ氏は、金銭的な和解だけでは不十分だとし、ジュフリー氏は自らの主張が正しいと証明されることを望んでいると、BBCに話した。

一方、王子の弁護団は、ジュフリー氏が2009年に米富豪のジェフリー・エプスティーン元被告(故人)と和解する際に交わした合意書を理由に、訴えは却下されるべきだと主張してきた。

エプスティーン元被告は2019年、性的人身売買の罪で訴追され、裁判を待つ間に拘置施設で自殺している。

アンドリュー王子は、2019年にBBC番組ニューズナイトに出演。ジュフリー氏と会った記憶はないと述べた。また、同氏がアメリカとイギリスで王子とセックスをしたと訴えていることについて、そうしたことは「起きていない」と話した。

また、エプスタイン元被告やその恋人のギレイン・マックスウェル被告(60)との交友関係は一時的なものだったと説明した。王子はこの番組出演後まもなく、公務から離れた。

マックスウェル被告は昨年12月、少女たちをエプスティーン元被告に仲介した罪などで、ニューヨークの裁判所で有罪評決を受けた。

Source link