フジテレビ
南太平洋のトンガ付近で発生した大規模な噴火に伴う津波警報に関する報道の中で、フジテレビのアナウンサーが、電話中継先の現地スタッフに対して見せた機転に称賛が集まっている。
■「ホテルというのはどういう場所でしょうか?」
注目を集めたのは、2022年1月16日未明に行なわれた奄美大島のホテルへの取材でのひと幕。フジテレビの報道機関は、鹿児島・奄美大島などに津波が到達している中、奄美大島のホテルスタッフと電話で中継を繋いだ。
男性アナウンサーが「奄美大島のホテルの方と電話が繋がっています。聞こえますでしょうか? 大変な状況の中」と呼びかけると、取材先のスタッフは落ち着いた様子で「はい、こんばんは」と応えた。
アナウンサーは、まず「今どういう場所にいらっしゃるでしょうか、安全は確保されているでしょうか?」と安全が確保されているかを質問した。ホテルスタッフは「はい、今私はホテルのロビーで電話を受けさせていただいております」と答えた。
アナウンサーは、再度「ホテルというのはどういう場所でしょうか? 高台になりますでしょうか?」と詳しい場所を確認。スタッフは現在の状況を「高台ではないんですが、海の近くなので、ちょっとその状況を見ながら、現在、情報収集させていただいております」と話した。
「今すぐ高台へと逃げてください!」
さらにアナウンサーは「近くというのは、海からどれくらいの距離でしょうか?」と今いる場所について質問。ホテルスタッフは「もう、すぐ目の前が海なんです」と答えた。
すると、間髪を入れず女性アナウンサーが「今すぐ高台へと逃げてください!」と呼びかけた。男性アナウンサーも「今すぐ避難をするようにしてください」と続けた。
男性アナウンサーが避難の呼びかけとともに「大変な状況の中、ありがとうございました」、女性アナウンサーも「今すぐ高いところへと逃げてください。ありがとうございました」と伝えると、ホテルスタッフは「はい、かしこまりました。ありがとうございます」と答え、電話は終了した。
SNS上には、現地スタッフの命を守るアナウンサーらの咄嗟の対応を称賛する声が集まっている。
「フジテレビ、電話取材を繋いだホテルが高台じゃないことを把握するなりすぐに高台に逃げてください!って何も聞かずに即電話を切らせたな…これは偉い、間違いなく一番正しい対応」
「災害においては当事者になったことないからわからんけど、今が非日常だと認識できてない時はどうしてもボンヤリ後手後手の対応になってしまいがちですよね」
「フジテレビの英断。とても大切。この人達(スタッフも?)もっと広まって評価されてほしい。他の局もこれに続いてほしい」
「これ見たけど、ほんとに即逃げてって言ってすぐ切ってた。相手の方より切迫詰まってて、報道番組でこういうの初めて見た」