謝罪する渡井教育長(右)ら(29日、市川三郷町で)
山梨県市川三郷町は29日、町内の小学校に勤務する20歳代の男性教諭が、ツイッター上で知り合った人物に児童29人分の個人情報を流出させたと発表した。現時点で児童への被害は確認されていないが、県警にパトロールの強化などを依頼しているという。
町教育委員会によると、相手は「個人間融資」をうたうツイッター上のアカウントで、教諭からダイレクトメッセージで連絡を取った。両者に面識はないという。今月24日に「児童の個人情報を買う」と持ちかけられ、応じた教諭はパソコンからダウンロードした児童名簿を印刷してスマートフォンで撮影、相手に送信した。名簿は教諭が勤める学校の3、4年生のもので、氏名、性別、住所、保護者名、自宅電話番号、緊急連絡先が記載されていた。
しかし金銭は支払われず、27日には相手のアカウントがツイッターの投稿で「個人情報を金で売る教諭がいる」などと公開。教諭が送った名簿の写真も、個人情報を黒塗りにした状態で添付されていた。
28日朝、町職員が投稿に気付いて問題が発覚した。アカウントは既に削除され、投稿も閲覧できない状態となっている。聞き取りに対し教諭は「金に困っていた」と話しているといい、町教委が処分を検討している。
29日の記者会見で、渡井渡教育長は「あってはならないことで、誠に遺憾。心からおわび申し上げる」と謝罪した。