ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月9日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。緊迫が続くウクライナ情勢について解説した。
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アメリカとドイツ、ウクライナ情勢で会談 ~ロシア侵攻なら厳しい制裁
2021年12月21日、ロシア国防省幹部の会合で話すプーチン大統領(タス=共同) 写真提供:共同通信社
緊迫するウクライナ情勢をめぐって欧米では2月7日、外交活動が相次いだ。アメリカではバイデン大統領とドイツのショルツ首相が会談し、バイデン氏はロシアがウクライナに侵攻した場合、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム2」の計画は「終わらせる」と述べた。
飯田)一方、モスクワではプーチン大統領とフランスのマクロン大統領がおよそ5時間会談しまして、マクロン氏が戦争回避の重要性を訴えたということです。ウクライナ情勢ですが。
高橋)バイデンさんとショルツさんの会談が成功したのかどうかはわからないのですけれども、この感じだと「ノルドストリーム2」については先の話ですよね。完成しているとは思うのだけれども、稼働するのは先の話です。そう考えると、この会談はうまく行かなかったのではないでしょうか。
飯田)会見の様子を見ていても、温度感に差があるなという感じでした。
高橋)それはそうでしょう。ドイツは現にロシアの天然ガスに依存しています。去年(2021年)はあまり風も吹かなかったから、風力発電もよくありません。
飯田)ヨーロッパ全体で。
高橋)一方、原発は次々と廃炉しています。2022年には残り3基も終わらせるのかな。東日本大震災以降、メルケル元首相が「脱原発」と言って、廃炉してしまったのです。
飯田)そうですね。
高橋)そうすると、電力はフランスから買い、ロシアからも天然ガスを買うということです。国内では石炭も残っているので、非常に苦しい状況ですよね。そこが表に出てしまい、ウクライナ情勢には何も言えないというのが基本的な構図です。
飯田)さすがに「ヘルメットだけか」というような批判があって、ドイツもある程度の兵員を出すという話が出ています。
高橋)ただ、アメリカは「日本のLNGを少しそちらに回せないか」と提案しているのでしょう。
飯田)日中韓のLNGを何とか回してくれというような話が。
高橋)よく考えたら、アメリカがシェールガスを増産すれば終わるのですけれどね。なぜそれをしないのか。この際だから、「一時的に」と言ってやればいいのではないかと思います。そうすればエネルギー価格が下がって、ロシア経済にもダメージになります。経済制裁をするよりも、シェールガス増産の方が効くと思います。