恐怖!? 10人ぐらいの男たちに車を囲まれて・・・
FNNプライムオンライン
「10人ぐらいの男たちに囲まれて車を殴られている」「怖くて車を降りられない」。”恐怖”を告げる110番通報が入ったのは1月10日午前11時ごろのことだった。現場は、新宿区歌舞伎町のど真ん中。街のシンボルとも言える「歌舞伎町一番街」アーチの目の前だ。
【画像】逮捕されたチャイニーズドラゴンメンバーは不敵な笑みを浮かべていた(画像15枚)
この日、食品販売会社に勤務する28歳の男性は、取引先の店舗に、食材などを届けるため、レンタカーのワゴン車のハンドルを握っていた。車が歌舞伎町一番街に差しかかったところ、目の前に、10人ぐらいの男たちの集団が歩いていたという。
男性は、道を譲ってもらとうと、クラクションを鳴らした。皮肉にも、その音がゴングとなった。男たちは、一斉に車を取り囲んだ。そして車を殴ったり、足蹴りを始めたという。道具は使わず、ひたすら”素手”で。およそ5分間に渡って車をボコボコにしていく男たち。
警察官が臨場するも 散り散りに逃げていく男たち
冒頭の110番通報の内容は、車内から、男性が電話したものだった。幸いにも、車の鍵がロックされていたため、男性にケガはなかったという。しかし、その恐怖は察するに余りある。現場は、歌舞伎町交番からも近い。すぐに警察官がかけつけてきた。
ところが、男たちは、悪びれもせず、現場に留まっていたという。当然、警察官は、事情を聴くため、任意同行を求めた。すると男たちは、蜘蛛の子を散らすように、その場を立ち去ったという。
「チャイニーズドラゴン」メンバーらを逮捕
警視庁組織犯罪対策二課などは、防犯カメラの映像などから男たちを特定。悪質性が高いと判断し、強制捜査に踏み切った。準暴力団「チャイニーズドラゴン」のメンバー・秋丸陸容疑者(32)と西原慎吾(37)ら合わせて5人が、暴力行為処罰法・集団的器物損壊の疑いで逮捕された。
現場には、他にも仲間がいたが、傍観していただけで、器物損壊行為には関与せず、逮捕には至らなかった。調べによると、当時、男たちは、飲食店を何軒かハシゴして酒を飲み、酔っていたそうだ。そこにクラクションを鳴らされて激高し、犯行に及んだという。
組織性なし 酒に酔っての”偶発的犯行”か
チャイニーズドラゴンは、中国残留日本人の2世らが結成した暴走族「怒羅権(ドラゴン)」がルーツとされる。過去にも、数々の犯罪に手を染めてきた。その荒っぽい手口でも有名だが、今回の”車ボコボコ”事件は、酒に酔った状態での偶発的犯行とみられている。
被害を受けたワゴン車は、ボンネットやサイドミラー、スライドドアが損傷。合わせて48万円の修理費用がかかったという。これまでに、組対二課は、逮捕された5人の認否を明らかにしていない。
社会部