ボクシング元ヘビー級王者でキエフ市長のビタリ・クリチコ氏(左、右は弟のウラジミール・クリチコ氏)(ロイター)
ウクライナのEU加盟問題からロシアによるウクライナの国家主権及び領土侵害に発展した国際的危機をめぐる問題で、スポーツ各界がロシアで予定した大会を中止、ロシア選手に対してランキング除外などの措置を取った。
≪WBO会長検討 ロシア人選手のランキング除外≫プロボクシングの統括団体WBO(世界ボクシング機構)のバルカルセル会長は25日、ロシア国内での試合を承認せず、同国選手のランキングからの除外を検討しているとツイッターで明かした。WBC(世界ボクシング評議会)もウクライナへの侵攻を非難し「紛争が合意に基づく方法で解決されるまで」はロシアでの試合を認めないとの声明を発表。WBA(世界ボクシング協会)は28日の理事会で同国での試合停止に関する投票を行うとし、ともに元世界ヘビー級王者でキエフ市長の兄ビタリ氏、弟のウラジーミル氏のクリチコ兄弟への連帯も表明した。
≪国際テニス連盟 ロシアの全大会無期限延期発表≫国際テニス連盟(ITF)は25日、ロシアで予定されている全ての主催大会の無期限延期を発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて「最優先事項は全選手と関係者の安全」とする声明を発表。4月にウクライナで予定されていた男子ワールドツアーの延期も発表した。今後の方針については「徹底的なリスク評価と保安専門家および当局からのアドバイス」を基に決めるとした。
≪カザンで開催予定 柔道GS中止≫国際柔道連盟(IJF)は25日、ロシアのカザンで5月20~22日に予定していたグランドスラム(GS)カザン大会の中止を発表した。ビゼール会長は「非効率的な対話の末の現在の国際情勢を悲しく思っている。東欧と世界が正常と安定を取り戻すことを希望する」とロシアへの言及を避けた声明を発表。ロシアのプーチン大統領が柔道家でIJF名誉会長を務めていることもあり、“忖度(そんたく)”がうかがえるコメントとなった。