国際金融協会(IIF)は28日、ロシアが対外債務の不履行に陥る可能性は「極めて高く」
、今年のロシア経済は2桁の縮小に見舞われるとの見通しを発表した。
[ロンドン 28日 ロイター] – 国際金融協会(IIF)は28日、ロシアが対外債務の不履行に陥る可能性は「極めて高く」、今年のロシア経済は2桁の縮小に見舞われるとの見通しを発表した。西側諸国による制裁がかつてない規模に達していることが背景にある。インフレ率も2桁に達する見込みという。
IIFは、ロシア中央銀行の外貨準備の半分は資産凍結を行った国に保有されていると推定。ロシア当局が経済を支える能力は著しく低下しているとみている。
IIFの副チーフエコノミスト、エリナ・リバコワ氏は「今後も危機が深刻化すれば、デフォルトや債務再編の可能性がある」と述べた。デフォルトの可能性は「極めて高い」としたが、外国人が保有するロシア国債の規模は約600億ドルと比較的小さいため、影響は限定的なものにとどまるとした。
SWIFTはロシアの銀行の名前が切断されるのを待っている
SWIFTは1日、ロシアのウクライナ侵攻に対応した制裁措置が展開される中、当局が同社のグローバル金融メッセージシステムからの切断を望む銀行を確認するため待機していると述べた。
欧州連合(EU)、米国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、英国は土曜日、ロシアの特定の銀行をSWIFTから排除し、世界的に活動する能力を損なわないようにすることで合意した。
SWIFTは火曜日に声明を発表し、「私たちは常に適用される制裁法を遵守します」と述べた。
ロシア、信用危機に直面 G7は追加制裁で一致
欧米日の金融制裁でロシアが信用危機に直面している。通貨ルーブルの急落や外貨取引を制限する制裁を受けて、対外債務に債務不履行(デフォルト)の懸念が高まった。
国内の金融システムにも不安が広がる二重の信用危機だ。主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は1日にウクライナの財務相を招いてオンライン会議を開き、制裁に関して「今後も速やかにさらなる行動を取る」との方針で一致した。
G7はロシア中銀が各国中銀に置く外貨を自由に動かせないようにする経済制裁で足並みをそろえている。会議では現状の措置がロシア経済に大きな影響を与えているとの認識も共有した。