ウクライナ侵攻の前日までは活気のあった米欧資本による投資状況も、いまや全速力で逃げ出す異常事態となっているようだ。処分し切れない資産を含め、米欧資本がロシアに持つ金額は合計で12兆円規模となっている。それでも過少評価かもしれない。
ウォール街、ロシア撤退は空前の猛ダッシュ-主要行リスク資産12兆円
3/24(木) 9:35配信 Bloomberg
(ブルームバーグ): グローバル金融業界は過去数十年にわたり、ロシアの企業と資産家、政府の要望に熱心に応じてきた。そして軍の戦車がウクライナに侵攻を開始した。
軍事侵攻と国際的な制裁を受け、ロシアに数千人のスタッフと数十億ドルの資産を擁する米銀シティグループは現地ビジネスを大幅に縮小する方針。ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースはロシアからの撤退を発表し、ドイツ銀行も段階的な業務縮小にかじを切った。
一部の金融業者はアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国などに拠点を移そうとしており、法律家や他の専門職も続いて動いている。
それは恐らく、主要経済国・地域で記憶に残る最も厳しい、最も迅速な排除の動きだ。過去数週間のすさまじい猛ダッシュを通じて、米英や欧州連合(EU)が絶えず更新する制裁の内容を理解し、実行に移す対応が行われた。
活気に満ちたデスクが停止したのはモスクワだけではない。さばききれないロシアの株式・債券をトレーダーは抱え、連動するデリバティブ(金融派生商品)も宙に浮く。今や「害毒」でしかないロシア資産家のために働いてきたプライベートバンカーらは、顧客がロンドンの邸宅を掃除する費用の支払いにさえ事欠く状況にいら立っている。
ブルームバーグの集計データによると、ライファイゼン・バンク・インターナショナルやシティ、ドイツ銀など十数行のロシアへのエクスポージャーは合計約1000億ドル(約12兆円)に上る。それでも、バランスシートがロシアビジネスへのいかなる打撃も容易に吸収できると金融機関は強調する。
ロシア軍のウクライナ侵攻から数時間経過した段階で、モスクワの金融関係者は、先月まで活気にあふれて見えたビジネスが事実上崩壊する様子を目の当たりにした。地元で勤務するある投資マネジャーはその日の朝、同僚に起こされて急ぎオフィスに向かった。年金基金向けに60億ドル相当を運用管理していたが、顧客資産の価値はごくわずか、恐らくゼロになった可能性が高いと今は考えている。マネジャーが匿名を条件に話した。
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日本のメガバンクや大企業も巨額を突っ込んでいる
黒井こうした動きに日本も巻き込まれていて他人事ではなく、コメント欄ではメガバンクが5,000億円規模の資金を突っ込んでいると書かれていた。それ以外にいくら年金が投入されているのか、もし数十兆円単位なら年金自体が崩壊という見方だった。ロシア投信については解約自体ができない状態だという。
黒井日本はドイツのことを笑えず天然ガスをある程度ロシアに依存していて、ガス開発事業にも多額の資金を投じていたはずだ。米欧資本はすべてを損切りするつもりでロシアから逃げ始めているが、その動きにどこまで追随できるかが焦点と言える。