見つかったカズワンの船体=海上自衛隊掃海艇「いずしま」撮影(海上保安庁提供)
北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が行方不明になった事故で、第1管区海上保安本部は29日、船体が「カシュニの滝」付近の海底で見つかったと発表した。海上自衛隊の掃海艇が撮影したとして、船名が入った写真を公開した。また、新たに4人の身元判明を発表。ロシア側から「国後島西方海域で漂流者を発見したが、荒天のため見失った」との連絡を受けたとも明らかにした。30日で事故から1週間。乗客乗員計26人のうち、見つかった14人の死亡が確認された一方、12人の行方が分かっていない。
1管によると、船体が見つかったのは「カシュニの滝」から西北西に約1キロの海域。水深約120メートルの海底で、29日午前11時7分ごろに発見したとしている。船内の状況は不明で、今後、船体の引き揚げ作業や船内の捜索活動をどう進めていくかが焦点になる。
一方、28日に新たに見つかった3人はいずれも水死だったと発表。これまで見つかった14人は全て水死だったことになる。
また、28日夕にロシア側から1管に、救命胴衣を身につけた漂流者を27日に発見したものの見失ったというファクス連絡があった。銀行カードの入ったリュックを回収したとも記されていた。1管によると、カードは既に死亡確認された14人のうちの1人のものだったとしている。【渡辺薫、木下翔太郎、北村秀徳】