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去年12月、千葉県警本部鑑識課に所属する警察官が窃盗容疑で逮捕された。なんと、住宅火災の現場に鑑識係として臨場した際、焼け跡から見つけた現金を盗んだというのだ。
【画像】火事場泥棒の警察官は盗撮の常習犯だった(画像5枚)
その後、女子高生の盗撮や児童ポルノ動画を所持した疑いでも追送検・起訴された。県民の安心安全を守り、犯罪を取り締まる立場でありながら、多くの罪を重ねた警察官に、先月、千葉地検は懲役2年を求刑した。
盗撮容疑の警察官 自宅には火事現金から盗んだ現金
御園生貴史被告(39)は、おととし9月、当時、配属されていた千葉県警鎌ケ谷署の鑑識係として、鎌ケ谷市内の住宅火災現場での実況見分中に、焼け残った現金35万8千円を盗んだとされている。
また、御園生被告は、去年11月から12月にかけて、千葉県内のショッピングモールで、女子高生のスカート中を盗撮したほか、自身のケータイに児童ポルノの動画など10点を所持した罪にも問われている。
そもそも、盗撮の疑いで自宅を家宅捜索された際に、寝室のクローゼットで、一部が燃えた現金が見つかったことから、”火事場泥棒”も発覚していたのだ。
火事現場から焼けた紙幣 こっそり別の建物に
今年3月、千葉地裁で行われた初公判で、証言台に立った御園生被告は、起訴内容について「間違いありません」と認めた。短髪に黒いスーツ・ネクタイ姿で出廷した御園生被告。いかにも真面目そうで優秀な警察官という印象を受ける。なぜ、そんな警察官が火事場泥棒や盗撮に及んだのか。
検察側の冒頭陳述によると、御園生被告は、おととし9月、火災現場の写真撮影や計測作業を行う「見分官」として、住宅火災現場に赴いていたという。そして寝室付近で灰などの除去作業をしていた際に燃え残っていた現金を発見。
その後、御園生被告は、同僚が昼食をとっている際に、現金を、こっそりと全焼していない他の建物に移動させる。そして実況見分が終わった段階で、同僚が気づいていないことを確認した上で、現金を持ち帰ったそうだ。
火事場泥棒の動機は「歯の治療」
逮捕後に「“出来心”で持て来てしまった」と供述していた御園生被告。しかし、現金を盗み出すために、わざわざコンビニにレジ袋を買いに行くなど、犯行には、計画的な一面も見え隠れする。
本来、火災現場の金品などの貴重品は、警察が集めて管理し、被害者に返すことが決まりとなっている。御園生被告は被告人質問で「火災については自過失だろうと重く捉えておらず、火元の撮影などはしたが、散乱していた現金などは撮影しなくていいと思っていた」と説明。
盗んだ動機については「現金がなくなっていてもバレないだろうという安易な考えだった」とした上で、「数年間、妻と保険外の歯の治療をしていて、預貯金が減っていく不安があった」と述べた。
計画通りに、自宅に現金を持ち帰った御園生被告。ところが紙幣の交換方法をネットで調べたものの、紙幣が燃えた事情をうまく“ごまかす”方法が見つからなかったため、自宅のクローゼットで保管せざるを得なかったそうだ。そんな中、”別件”の盗撮容疑で家宅捜索を受けたと言う訳だ。