
不審な動きを寸劇で演じ、情報提供を呼びかける警察官たち
自動車販売会社や損害保険会社などでつくる「愛知県自動車盗難等防止協議会」は、自動車窃盗事件の解決に結びつく同県警への情報提供者に支払う報奨金の額を、1万円から10万円に引き上げた。県内の被害は急増しているが、有力情報は少なく、報奨金アップは情報提供を増やし、犯罪抑止にもつなげるのが狙いだ。
【写真】約14年ぶりの全面改良となったレクサスの新型「LX」
県警によると、県内の自動車盗認知件数は昨年、未遂も含めて745件と、前年比で約1・5倍に増えた。今年も3月末までに195件確認され、全国ワーストとなっている。
車種では昨年、ランドクルーザー(小型モデルの「プラド」も含む)が最も盗まれた。次いで「レクサスLX」、「プリウス」と続いた。このトヨタ3車種は今年も被害が集中しているという。
報奨金制度は全国に先駆けて2015年10月に始まり、これまでに26件が適用された。同制度では、車上狙いや車の部品が盗まれた事件の情報も対象としている。内訳は自動車盗5件、部品盗4件、車上狙い17件。昨年、報奨金につながった情報は車上狙いの1件だけにとどまっている。
このため、車体ごと狙われた事件については、この4月から報奨金の金額が1万円から10万円に引き上げられた。
県警は、制度をアピールするイベントを4月に日進市の商業施設で行い、報奨金の増額を周知するチラシや、自動車盗被害防止に効果的な対策を示したマニュアルを配布した。県警の防犯活動専門チーム「のぞみ」が、昨年実際に盗難に遭った車両を使い、犯人たちの不審な行動を模した寸劇を披露し、迅速な110番通報を呼びかけた。
県警の佐々木好三・生活安全部参事官は「『車の前で長時間うろうろしている人がいた』など、不審に思ったら遠慮なく通報してほしい」と話した。