(写真:読売新聞)
【リビウ(ウクライナ西部)=笹子美奈子】ウクライナ南部ヘルソン州の制圧を宣言しているロシア軍が、州都ヘルソンに置く司令部を移動させたとの見方が出ている。ウクライナ軍の反撃で補給路が被害を受けたためとみられる。
ウクライナ軍南部方面の報道官らは14日、地元メディアに対し、露軍が司令部をドニプロ川西岸の州都ヘルソンから東岸に移したと指摘した。ウクライナ軍が、露軍の補給路となっていたアントノフ大橋を含む計3本の橋を攻撃し、使用不能にしたことが影響している模様だ。
一方、ロシアのプーチン大統領は15日、モスクワ郊外で開かれた国内最大級の兵器展示会で演説し、「ロシアの兵器は競合国よりも何年も先を行っている」と述べ、自国兵器の性能の高さを誇示した。欧米の対露制裁に同調しない南米やアジア、アフリカの国々と緊密な関係にあることを強調し、最新の露製兵器を供給する用意があると主張した。ウクライナ軍の抵抗により一部で苦戦が伝えられており、国内外の不信感を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。今年の展示会への参加は72か国で、昨年の117か国から激減した。