ロシア軍 「破壊工作受けた」認める クリミア半島の弾薬庫爆発


ロシア軍 「破壊工作受けた」認める クリミア半島の弾薬庫爆発

爆発があったとされるクリミア半島北部ジャンコイで立ち上る煙=16日、ロイター

 報道によると、爆発があったのは半島北部ジャンコイの弾薬庫。午前6時15分ごろ発生し、付近の送電線や線路、住宅などが損傷した。ロシア軍は現場から半径5キロ以内を立ち入り禁止とし、約2000人が避難したという。誰が「破壊工作」をしたのかなど、爆発原因の詳細は明らかになっていない。

 一方、露紙コメルサント(電子版)によると、半島中部シンフェロポリ付近の露軍航空基地でも16日、複数の爆発音があり、黒煙が上がった。被害の規模など詳細は分かっていない。

 ウクライナでは15日、ゼレンスキー大統領がクリミア半島の奪還と再統合に向けた諮問会議を設立する大統領令に署名した。ウクライナ最高会議(議会)は同日、戒厳令と国民総動員令を90日間延長する法案を可決し、徹底抗戦の構えを強めている。

 クリミアに隣接する南部ヘルソン州では、ウクライナ軍が反転攻勢を強めている。米シンクタンク「戦争研究所」は、ウクライナ軍が露軍の補給路となっているドニエプル川の三つの橋を攻撃し、いずれも使用できなくした可能性が高いと指摘。ウクライナ紙「ウクラインスカ・プラウダ」(電子版)によると、ウクライナ軍関係者は露軍が現地の司令部を州都ヘルソン市があるドニエプル川西岸から東岸に移したとの見方を示した。戦闘が激化する中、ウクライナのベレシチューク副首相は14日、ヘルソン州内にとどまる住民に対し、改めて避難するよう呼びかけた。

 また、同紙は15日、ウクライナ軍が東部ルガンスク州にある露民間軍事会社「ワグネル」の拠点を破壊したと報じた。同州のガイダイ知事はこの攻撃で、ワグネルの戦闘員100人以上が死亡した可能性があると述べた。

 ワグネルは、プーチン露大統領に近い新興財閥(オリガルヒ)のエブゲーニー・プリゴジン氏が経営に関わっているとされる。戦闘員は14年のクリミア強制編入の際に派遣されたほか、今回の侵攻でも主に東部ドネツク、ルガンスク両州で戦闘に参加しているとされる。

 同紙などによると、ワグネルの拠点はロシアが占領するルガンスク州ポパスナにあり、ウクライナ軍は米国から供与された高機動ロケット砲システム(HIMARS)で攻撃したとみられる。

 ガイダイ氏は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、ワグネルの拠点の位置を「ロシア人記者のおかげで」把握できたと説明した。このロシア人記者は8月上旬、拠点を訪ねた時の写真をテレグラムに投稿していたという。【三木幸治(エルサレム)、金子淳】



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