給食のウズラ卵で窒息死、男児の父親が市を提訴「生きたまま返して」


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 この日会見した40代の父親は「十分納得できる説明も、ちゃんとした謝罪も受けていない。だから裁判に踏み込むことにした。大事な息子を返してくれ、生きたまま返してくれ」と話した。

 訴状によると、事故当時、教室には20人の子どもと担任教諭がいた。男児はみそおでんの食材の一つだったウズラの卵をのどに詰まらせて席を立ち、養護教諭らから救命措置を受けたが窒息し、死亡した。

 父親は訴状で、ウズラの卵は「のどに詰まる危険性が高い」として、文部科学省などから注意を促されていた食材だったと説明。教員には子どもたちに丸のみしないよう事前に注意する義務があるのに、新任だった担任教諭に自覚・認識がなかったとした上で、発見と救命措置の遅れにつながったと訴えている。

 また、新任教諭にウズラの卵の危険性に注意する指導を怠ったとして、校長にも過失責任がある、とした。

 事故をめぐっては、市学校安全調査委員会(第三者委)が24年12月、教職員の誤嚥(ごえん)事故への認識不足や、十分な救命講習を教職員が受けていなかったことを指摘する内容の調査結果と提言をまとめている。

 みやま市は松嶋盛人市長と藤岡育代教育長の連名で、「昨年2月に本市小学校の給食時間中に発生した重大事故に関して、亡くなられた児童のご遺族が提訴した、との知らせをただいまお伺いしたところです。市及び教育委員会としましては、ご遺族の訴えを真摯(しんし)に受け止めるとともに、訴状が届き次第内容を確認のうえ、適切に対応してまいります」とのコメントを出した。(西田慎介)

朝日新聞社



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