(写真:朝鮮日報日本語版)
韓国自動車産業連合会は25日、米国が今月16日に「インフレ抑制法(IRA)」を施行し、韓国製の電気自動車(EV・プラグインハイブリッド車を含む)を補助金の支給対象から除外したことについて、年間で韓国製EV10万台の対米輸出に支障を来すとの試算を明らかにした。また、韓国の自動車部品メーカー1万3000社余りの経営難も深刻化しそうだ。
同連合会は「韓国製EVも補助金支給対象に含まれるべきだ」と主張した。現代自動車、起亜は今年、米国へのEV、プラグインハイブリッド車計10万台の輸出を見込み、来年はそれ以上の輸出を期待していたが、補助金制度からの脱落で価格競争力を失ったからだ。
韓国の自動車メーカー5社と主な部品業界団体、学識者などで構成される同連合会は「今回の法案は差別的な補助金を禁止する世界貿易機関(WTO)の規定に違反し、韓米自由貿易協定(FTA)が定める『内国民待遇』の原則にも反する」と指摘した。同連合会はまた「北米のFTAである米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の締約国(カナダ・メキシコ)に税制優遇を認めるように、FTA締結国であり経済安保同盟国である韓国のEVにも同等の待遇を求める」と表明した。
同連合会はまた、「これまで韓国自動車業界は米国に130億ドル以上を投資し、10万人以上の雇用を創出し、今年5月のバイデン大統領訪韓に際し、サムスンが170億ドル、現代自が105億ドル相当の投資計画を発表した」と米国経済への貢献を強調した。
産業通商資源部も米インフレ抑制法に積極的に対応する方針を明らかにした。李昌洋(イ・チャンヤン)長官は同日、大韓商工会議所で「半導体・自動車・電池業界懇談会」を開き、「官民合同チームを構成し、対応案を模索する。まず両者による協議で法案の下位規定に韓国企業の意見を反映することが優先だ」と述べた。産業通商資源部は来週から来月にかけ、安城逸(アン・ソンイル)通商交渉室長、安徳根(アン・ドックン)通商交渉本部長、李昌洋長官が順に訪米し、ハイレベルの協議に乗り出すことにしている。
柳井(リュ・ジョン)記者