韓国にとってウォン安は輸出増加に繋がらない。
ウォン10%下落すれば輸入額3.6%増えるが輸出増加は0.03%だけ=韓国(1)
8/25(木) 7:22配信 中央日報日本語版
ウォン相場が急落し産業界の「為替リスク」が可視化している。原材料輸入の割合が大きい企業は収益性の悪化が予想される。一部輸出企業は恩恵が予想されるが、世界的な景気低迷で以前のような「為替特需」は期待しにくい状況だ。
24日の産業通商資源部と産業界によると、新型コロナウイルスによる衝撃から抜け出し始めたばかりの航空会社は再び経営の足を引っ張られないか懸念している。燃料費と航空機リース料などをドルで支払わなければならず、それだけコストが増えるためだ。大韓航空の場合、ウォン安が10ウォン進めば約350億ウォン、アシアナ航空は約284億ウォンの帳簿上損失が発生する。ここに上昇したドルがようやく回復しはじめた海外旅行需要を再び萎縮させかねないという分析も出ている。
鉄鋼業界も泣き顔だ。内需消費はそのままなのに、ドル高で鉄鉱石など原材料調達費用が上がり原価負担が大きくなる。業界では輸出の割合が相対的に高いポスコや現代製鉄など大手鉄鋼会社を除くとウォン安で影響を受ける企業が多いだろうとみている。
石油化学も収益性悪化が懸念される。国際原油価格の上昇傾向は徐々に収まっているが、石油化学製品の基礎原料に使われるナフサの輸入価格が上がったのが負担だ。ロッテケミカルが4-6月期に営業損失214億ウォンを記録して赤字に転落するなど大手石油化学会社の業績も悪化した。
バッテリー業界も緊張状態だ。LGエネルギーソリューションとサムスンSDI、SKオンのバッテリー3社は北米地域にバッテリー工場の新増設を推進しているが、ウォン急落で投資規模が急増しかねないとの観測が出ている。実際にLGエネルギーソリューションは投資費用上昇を理由に米アリゾナに1兆7000億ウォンをかけてバッテリー工場を作ることにした投資計画を再検討している。バッテリー業界関係者は「売り上げ増大効果はありえるが、反対に投資額と人件費が増加する部分がある。為替相場変動の影響を綿密に点検している」と話した。
一般的にウォン下落は他国通貨建ての韓国の輸出品価格を下げる点で輸出企業の価格競争力を高める。だが今回のウォン下落は過去のように輸出企業に有利に作用しないという分析が多い。韓国企業がこれまで海外から原材料を調達して加工して輸出したり、中間財を送って現地で完成品を生産する形に輸出方式を変えてきたためだ。結局価格競争力強化の効果は減り、原材料などを高く調達する負担が大きくなった格好だ。
国際貿易通商研究院によると、国際原油価格とドル相場が10%上昇する場合、輸出単価は0.04%上がり、輸出量は0.01%減少し、輸出金額は0.03%の増加にとどまる。これに対し輸入金額は3.6%増加する結果につながる。研究院は「(ウォン下落は)貿易赤字拡大を招くことになる」と懸念する。
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結局は中国依存度の高さが問題
黒井ウォン安というより世界的なドル高が問題のようだ。ドル建てのリース代増加など思わぬ部分で支出が増え、それに応じて収入の大部分を占める輸出が増えるというわけではない。今は原油は下がったとはいえまだ高価格帯で推移していて、燃料も原材料も何も採れない韓国にとって悪い状況が続くわけだ。
黒井資源高と通貨安が同時に起きているし、韓国はインフレが厳しく低所得者の生活が大変だという意見があった。中国はロシアから安く原油を仕入れて韓国など属国に高値で売り付けているというが、そうした中国依存度の高さも大いに影響しているだろう。属国の製品など買っている場合ではないのだ。