ウクライナのゼレンスキー大統領
ロシアによる侵攻が続くウクライナの南部ヘルソン州当局者は14日、州都ヘルソン市から北西約15キロに位置する要衝キセリョフカを露軍から奪還したと発表した。ウクライナ・メディアが伝えた。東部ハリコフ州で反撃を成功させたウクライナ軍は、南部でも奪還作戦を進めているもようだ。
【写真】ウクライナ軍が奪還した東部ハリコフ州イジュムを訪れたゼレンスキー大統領
一方、首都キーウ(キエフ)で14日、ゼレンスキー大統領の乗った車に乗用車が衝突。同氏に重いけがはないという。ウクライナ捜査当局は15日、衝突について捜査を開始したと発表した。テロの可能性を念頭に置いているとみられる。
キセリョフカに関し、米シンクタンク「戦争研究所」は12日、衛星写真のデータを基に露軍部隊の大半が撤退したと指摘。キセリョフカを喪失した場合、露軍はヘルソン市の防衛が困難になると分析していた。
また、ウクライナ国防省情報総局は14日、露軍はヘルソン市周辺に増援部隊を送ろうとしているものの、人員不足などで成功していないとの見方を示した。
ウクライナ当局は南部での軍事行動を機密にし、結果の詳細をただちに公表することを控えている。ただ、同国軍高官は12日、領土500平方キロメートルを奪還したと明らかにしている。