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C-390の積極的なマーケティングで注目を集めるエンブラエルは19日、米L3Harrisと手を組んでフライングブーム方式に対応したKC-390を開発、費用対効果の高い分散型空中給油戦術を米空軍に売り込むと発表した。
フライングブーム方式に対応したKC-390を開発するということ自体は「潜在的な顧客」を増やすことに繋がる
アフガニスタン撤退やウクライナ侵攻を受けて約1,500機前後と推定される中型軍用輸送機=C-130Hの更新需要が活性化、ブラジルのエンブラエルは「ロシア軍によるウクライナ侵攻で大規模な武器や物資の輸送が始まりC-390への関心が高まってる」と主張しているが、海外市場でC-390のマーケティングを拡大するには戦略的なパートナーとの協力が不可欠だとも述べており、今年7月にファンボロー航空ショーでBAEとの提携を発表した。
中東地域に対するC-390のマーケティングに協力する見返りとしてBAEは「エンブラエルから垂直離着陸機『Eve(2021年時点で17社から1,700機以上の受注を獲得した商業用eVTOL)』の軍用モデル開発を受注する」と明かしており、その後もタイ、オーストリア、チェコの防衛見本市にC-390を持ち込んで注目を集め、今月5日には空中消火任務に対応するC-390のテストを行うなど潜在的な顧客へのアピールに力を入れているが、今度は米L3Harrisとの提携を発表して防衛関係者を驚かせている。
米空軍協会主催のAir Space & Cyber Conference開幕に先立つ形でエンブラエルはプレスリリースを発表、その中で「米空軍にとって作戦上の緊急課題である戦術的空中給油のオプション=アジャイルタンカーの開発を米L3Harrisと共同で行う」と明かし、フライングブーム方式の空中給油とJADC2対応の通信システムを追加したKC-390を米空軍に売り込むらしい。
平たく言えば「大型で高価な空中給油機=KC-46Aに集中する空中給油を安価で小型なKC-390で分散させた方が戦術的に有利」という意味で、大規模な航空作戦中に長射程化が著しい空対空ミサイルでKC-46Aが1機でも撃墜されると多くの作戦機に影響が出るため「運用効率が悪くても複数のKC-390で空中給油を行う方が空中給油全体の抗堪性が優れている=米軍全体で取り組む分散戦術の空中給油バージョン」と言いたいのだろう。
米空軍の場合「それならKC-46Aの数を増やせば良い」と言い出すかもしれないのでエンブラエルの提案に興味を示すかは謎だが、フライングブーム方式に対応したKC-390を開発するということ自体は「潜在的な顧客」を増やすことに繋がるのでマーケティング的にはプラスに働くと思われる。
果たしてエンブラエルのC-390やKC-390はどこまで導入国を拡大させることができるだろうか?
エンブラエル、中東地域に対するC-390のマーケティングでBAEと協力
エンブラエルのC-390、宿敵C-130Jを破りオランダ空軍採用を決める
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※アイキャッチ画像の出典:Embraer
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