19日、ロンドンでバスを待つエリザベス女王の国葬の招待客(AFP時事)
【ロンドン時事】19日にロンドン中心部のウェストミンスター寺院で執り行われたエリザベス英女王の国葬は、世界の首脳や王族が一堂に会する機会となった。
【写真特集】エリザベス英女王の国葬
英史上最長の70年間在位し、国内外で広く敬愛された女王にふさわしく、参列者は国家元首級が勢ぞろい。空前の規模の国葬となった。
「ロンドン・マラソンとカーニバル、過去の王室の結婚式、五輪。これらが同時に起こったようだ」。ロンドンのカーン市長は英民放スカイニューズのインタビューで、警備の大変さをこう強調した。
会場の収容人数の都合で参列者は約2000人にとどまったが、このうち外国からが約500人に上った。英政府は参列者名簿を公表していないが、招待されなかったロシアなどを除いて、200近い国と地域が代表団を送ったとみられている。
英メディアによると、1965年の元首相チャーチルの国葬では113カ国・地域が代表団を送ったが、当時のジョンソン米大統領は参列を見送った。これに対し、バイデン米大統領は女王の死去当日に参列を表明。天皇陛下や欧州の国王・女王らが出席したほか、英連邦各国の首脳も駆け付けるなど、参列者は重量級となった。
ただ、異例の人数のVIPが集まる中、警備は困難を極めた。英政府は警備上の理由から、外国からの参列者を広大な庭を持つロンドン西部のチェルシー王立病院に集合させ、乗り合いバスで会場と往復させたが、これが物議を醸した。
ケニアのメディアは、ルト大統領が他のアフリカの首脳らとぎゅうぎゅう詰めのバスに乗っている写真を掲載。一方でバイデン氏は特別に大統領専用車の利用を認められたことで、待遇が不公平だとの批判も上がっている。