南ベトナム(当時)のジャングルで、弾薬や物資を載せた自転車を押す南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)兵(1969年8月4日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】ベトナム政府はこのほど、動画配信大手ネットフリックス(Netflix)に対し、韓国の連続ドラマがベトナム戦争(Vietnam War)の史実をゆがめているとして、ベトナム国内での配信停止を要請した。国営メディアが5日、報じた。
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全12話のドラマ「シスターズ(Little Women)」は、米作家ルイーザ・メイ・オルコット(Louisa May Alcott)の「若草物語(Little Women)」をモチーフにしている。
問題とされた8話ではベトナム戦争に従軍した退役軍人の韓国人男性が、韓国軍の死者数と、殺害した南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)戦闘員の数の「割合」を自慢するシーンがある。
男性は主役の一人に、「上出来だった戦闘では、殺した数と死んだ数が20対1だった。韓国兵1人の死亡に対し、ベトコン20人を殺したということだ」と話す。さらに殺したベトコンの割合は、韓国軍の精鋭兵士の場合はさらに高かったと続ける。
1964~73年のベトナム戦争では32万人以上の韓国人が従軍し、米軍と共に戦った。戦争中に韓国軍が殺害したベトコン戦闘員の数は分かっていない。韓国軍はベトナム市民を虐殺したと非難されている。
ニュースサイト「ベトナムネット(Vietnamnet)」によると、放送当局はネットフリックスに宛てた書簡で、問題のドラマは「歴史の歪曲(わいきょく)、革命の功績の否定、国および国の英雄に対する侮辱」を禁じる法律に違反しているとしている。
さらに「シリーズ内に、登場人物同士の会話で(戦争中に)韓国人傭兵(ようへい)の犯した罪をたたえる描写」があるという。
国営メディアによると、当局はネットフリックスに対し、5日までに「シスターズ」の配信を停止するよう要請した。だが、同日午後の時点ではまだ見ることができた。
AFPはネットフリックスにコメントを求めたが、現時点で回答を得られていない。
同社は2020年以降、ベトナム当局の要請により豪中米が制作したドラマ計3本の国内配信を停止している。当局は、いずれもドラマに出て来た地図の表記に問題があり、「国の主権を侵害している」と主張した。【翻訳編集】 AFPBB News