11日、ウクライナ東部ドネツク州の前線に展開するウクライナ軍の自走砲(AFP時事)
【ワシントン時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、この日のロシアによるミサイル攻撃について「28発のミサイルが飛来し、うち20発を迎撃した。15機以上のドローンのほとんどを撃墜した」と主張した。
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また、ロシアのプーチン大統領を念頭に「ウクライナへのテロに責任を負う者はすべて裁かれる」と非難した。
ゼレンスキー氏は、先進7カ国(G7)の緊急首脳会議に招かれたことにも言及し「ロシアに対するさらなる制裁と政治的圧力、そして新たな形のウクライナ支援が必要だ」と訴えた。ロシアは10、11両日、ウクライナ全土を狙った大規模なミサイル攻撃を仕掛け、20人以上が死亡している。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は11日の記者会見で、ロシアへの対抗措置として、ウクライナに対し地対空ミサイルシステム2基の供与を進めていると明らかにした。
プーチン氏は連日のミサイル攻撃について、ロシア本土とウクライナ南部クリミア半島を結ぶ橋の爆破への「報復」と位置付けている。一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、ミサイル攻撃は「ロシア軍の屈辱的な後退に激怒する強硬派の騒ぎを一時的に静めた」と指摘し、国内で高まる批判をかわす狙いがあったとの見方を伝えた。