【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権高官は28日、ジョンソン英政権が次世代通信規格「5G」のネットワークに中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品を部分的に使用することを決めたことについて「英国の決定に失望した」と述べた。
トランプ大統領も同日、ジョンソン英首相と電話で会談した。ホワイトハウスは「通信網の安全確保策」などについて協議したとしており、トランプ氏が華為製品の使用を撤回するよう要請した可能性がある。
米政権高官は「5Gネットワークのいかなる部分であれ、信用の置けない業者の管理下に置くことは安全な選択肢ではない」と指摘し、安全保障の観点から華為製品を排除すべきとの考えを改めて示した。
また、「信頼できない業者の製品を5Gネットワークからどう取り除いていくのか、英国と一緒に取り組んでいきたい」と強調。その上で「信頼できない業者が5Gに参入することによる、長期的な安全保障および経済への影響を精査するよう、引き続き各国に促したい」と表明した。
ポンぺオ国務長官は29、30日にロンドンを訪れ、ジョンソン氏やラーブ外相と会談する。華為の5G参入問題が主要議題の一つとなるのは確実とみられる。
欧州ではドイツも華為製品の導入を事実上認めるなど、華為の参入を受け入れる国が拡大しつつある。