ウクライナ東部の国境付近で発生 ウクライナ側「タジキスタン出身者、宗教めぐる論争で犯行」
ロシア政府が動員令を下した予備軍をウクライナ戦闘に投入し始めた中、ウクライナとの国境近くにある軍訓練場で銃撃が発生し、戦争投入を控えた兵士11人が死亡した。ロシア軍はこの事件をテロと規定した。
ロシア国営の「RIAノーボスチ」通信などは15日(現地時間)、ロシア国防省の話として、ウクライナ国境近くのロシア南西部ベルゴロドの射撃訓練場で銃撃が発生し、参戦を志願した兵士11人が死亡、15人が負傷したと報じた。国防省は声明を発表し「(ウクライナを相手とした)『特別軍事作戦』への参加を希望した人々が射撃訓練をしている途中、テロリストらが小型火器を発射した」と説明した。彼らは現場で射殺された。ロシアの独立メディア「ソタビジョン」は、事件が起きた射撃場はベルゴロド市から南東に105キロメートル離れた国境地域のソロティ村にあると伝えた。
この日の事件は、プーチン大統領がウクライナ戦争に投入する予備軍動員令を下したことでロシア国内で反対デモが起き、徴兵を避けて若者たちが外国に大挙流出するなど、ロシア国内の混乱が絶えない中で発生した。プーチン大統領は前日、予備軍の徴集は2週間以内に終わるとし、追加の徴集計画はないと明らかにした。
ロイター通信は、兵士らに銃撃を加えたのは、かつてソ連から独立した独立国家連合(CIS)国家出身者だと伝えた。ウクライナのオレクシー・アレストビッチ大統領補佐官はオンラインインタビューで、彼らはタジキスタン出身であり、宗教をめぐる論争の末に銃撃したと聞いていると話した。タジキスタンはイスラム教徒が国民の95%を占める国だ。
ベルゴロド地域はロシア軍の油類貯蔵所と弾薬庫がある補給要衝地であり、最近ウクライナ軍の攻撃と推定される爆発が続いた。バチェスラフ・グラドコフ州知事は13日、ウクライナ軍がこの地域の学校、アパート、変電所などに対する攻撃を行ったと主張した。
一方、ウクライナ軍とロシア軍の戦闘は、東部ドネツク州バフムート周辺で再び激化している。ウクライナのウォロディミール・ゼレンスキー大統領は同日、ドネツク州などドンバス地域の状況が非常に厳しいと明らかにした。しかし、同地域の交通要衝地であるバフムートは、自国軍が依然として守っていると付け加えた。
AP通信は、ロシア軍が南部地域に対する爆撃も続けて行ったと報じた。ドニプロペトロフスク地域のバレンティン・レズニチェンコ州知事は同日、ザポリージャ原発近くの都市ニコポルの住居地域に爆弾が落ち、住民2人が死亡したと明らかにした。プーチン大統領は14日、当分の間は追加の大規模空襲は必要ないと述べた。しかし、ロシア軍が破壊目標とした29の基幹施設のうち7カ所は破壊されておらず、これに対する攻撃が再開されると付け加えた。
シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)