イランがロシアに弾道ミサイルを供給、どこで使うのかは売り手に無関係

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ロイターは19日「イランの政府高官と外交官がロシアへの弾道ミサイル提供を認めた」と報じており、取材に応じた外交官は「提供した兵器がどこで使用されるかは売り手の問題ではない」と述べている。

もうイランからロシアに供給される武器を外交で止めるのは絶望的、この問題は更にウクライナを追い詰めるかもしれない

ロシアは不足する精密誘導兵器を補うためイランから武装可能なMohajer-6と徘徊型弾薬のShahed-136を調達、これについてウクライナ側は当初「ロシア軍の無人機と同じで我々に撃墜されるだけ」と主張して大した脅威ではないと強調していたが、ロシア軍は夜間にShahed-136を発射(目標には早朝に到達)することで携帯式防空ミサイルによる迎撃を回避する運用方法を採用、さらに数十機のShahed-136を同時に使用することでウクライナ軍の防空シールドを突破。

イランがロシアに弾道ミサイルを供給、どこで使うのかは売り手に無関係

出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136

ウクライナの火力発電所、電力供給設備、水道設備に連日無視できない損害を与えており、ゼレンスキー大統領も18日「1週間で火力発電所の30%が破壊され国中で大規模な停電が発生している」と述べたため、イラン製無人機によるインフラ攻撃が大きな問題を引き起こしている=予想よりも攻撃効果が高かったことを認めた格好だが、ロイターは19日「イランの政府高官と外交官がロシアへの弾道ミサイル提供を認めた」と報じており、この問題は更にウクライナを追い詰めるかもしれない。

ロイターの取材に応じたイランの政府高官と外交官は「より多くの無人機と攻撃精度が向上した弾道ミサイルをロシアは求めており、モフベル副大統領などのイラン関係者がモスクワを訪れてロシア側と協議した結果、ZolfagharやFateh-110を含む弾道ミサイルの提供で合意した」と述べており、この取引が2015年の国連安保理決議に違反しているという指摘にも「提供した兵器がどこで使用されるかは売り手の問題ではない。我々は西側のようにウクライナ危機の片棒を担ぐことはなく、外交手段による危機終結を望んでいる」と述べている。

イランがロシアに弾道ミサイルを供給、どこで使うのかは売り手に無関係

出典:Alireza numberonCC/BY-SA 4.0 Mohajer-6

つまりイランはロシアに武器を売っただけで「これをウクライナで使用するかはロシア次第なので自分達には関係がない」という意味で、もはやイランからロシアに供給される武器を外交で止めるのは不可能だ。

因みにロシアはイランから無人機と弾道ミサイルを手に入れることで、西側諸国が提供する統合された多層式防空システムの突破を考えているのかもしれない。

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イランはハマスを利用してイスラエルへのロケット弾攻撃(昨年5月)の際、粗末なUAV(Ababil-B)を飛ばし「同時タイミングで『飛行特性が異なる複数の攻撃手段』にイスラエルの防衛シールドが晒された場合どうなるのか」を実戦で検証、ジェーンスのジェレミー・ビニー氏は「ハマスのロケット弾検出に集中していたイスラエル国防軍はセンサーの再調整を余儀なくされ、イランはハマスを利用してイスラエル攻撃に役立つデータ入手に成功した」と指摘しており、昨年末に実施したイランの演習には弾道ミサイルとUAVの同時使用が登場している。

この演習で使用した組み合わせがFateh-110とShahed-136で、ロシアがイランの運用方法を導入してウクライナに攻撃を仕掛けても不思議ではない。

イランがロシアに弾道ミサイルを供給、どこで使うのかは売り手に無関係

出典:Israel Defense Forces

飽くまでも「飛行特性が異なる複数の攻撃手段で攻撃を仕掛けると防空シールドを突破できる確立が高まる」というのはビニー氏の推測に過ぎないが、もし無人機と弾道ミサイルの同時運用に「効果がある」とウクライナで実証されると西側諸国の防空システムは大幅な見直しを迫られるかもしれない。

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イスラエルの防衛シールド突破を狙うイラン、弾道ミサイルとUAVを組み合わせた複合戦術

 

※アイキャッチ画像の出典:IMA Media

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