ロシアのウクライナ侵攻を統括する総司令官に新たに任命されたスロビキン氏
(CNN) ロシアのウクライナ侵攻を統括するスロビキン総司令官は19日までに、ウクライナ南部ヘルソン州での「特別軍事作戦」の状況について、「非常に困難」との認識を示した。ウクライナ政府は南部奪還の取り組みを進めている。
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スロビキン氏は「ロシア軍は住民の安全な避難を確保する」とも述べた。
ウクライナはここ数週間、ヘルソンに向けドニプロ川西岸(右岸)沿いを大きく前進。ウクライナ国防情報当局は年内に同市を奪還したい考えを示している。
クレムリン(ロシア大統領府)は先週、ロシア軍がヘルソン住民の避難を支援すると発表し、ウクライナの進軍を前にした苦戦ぶりを改めて示す形となった。
ヘルソン州のウクライナ側の高官は、ロシアの言う「避難」は「ウクライナ人住民を半ば自主的に国外退去させる」ものだと形容。国際機関や人権団体はこうした措置に深い懸念を表明し、人道に対する罪に当たる可能性を指摘している。
ロシアを後ろ盾とするヘルソン州のサルド知事も18日、前線の集落からの民間人の「組織的移転」をさらに進める考えを明らかにした。
サルド氏によると、ロシア移住を決めた民間人には住宅面の支援が行われるという。
欧州安全保障協力機構(OSCE)の7月の報告書によると、自らの意思に反してロシアに移送された民間人は130万人に上る。数万人の民間人が「選別センター」に収容された後、ウクリアナ東部のロシア支配地域に移送されたとの証拠もあるという。