ウクライナ軍に通信障害、費用問題からスターリンク端末1300台が接続不能に


ウクライナ軍に通信障害、費用問題からスターリンク端末1300台が接続不能に

マスク氏が提供した小型衛星端末スターリンクのアンテナ

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マスク氏の民間宇宙会社「スペースX」が手掛ける小型衛星端末は、戦況を一変させる通信手段として広く歓迎されてきた。ロシアとの戦争で携帯電話やインターネットのネットワークが破壊された状況でも、戦闘やネット接続の維持が可能になるためだ。

しかし、資金拠出をめぐる議論の存在が明らかになり、前線付近で障害が報告されたことで、最近ではスペースXの信頼性に対する懸念が高まっている。

スペースXは9月、米国防総省に対し、同社はこれまで1億ドル(約146億円)近い費用を負担しており、これ以上の費用負担は続けられないと主張する書簡を送付。ウクライナ軍への支援を増やし、月数千万ドルを負担するよう求めていた。この件についてはCNNが最初に報じた。

CNNの報道から数日後、マスク氏は方針転換したとみられ、スペースXは拠出要請を取り下げたと主張。ツイッターで「どうなってもいい」「我々はウクライナ政府への無償支援を続けるだけだ」と述べていた。

ただ、国防総省の高官によると、拠出要請を取り下げたというマスク氏の主張にもかかわらず、スペースXと国防総省の間では交渉が続いているという。

マスク氏は今月2日、米宇宙軍の式典に出席し、オースティン国防長官やミリー統合参謀本部議長らと同席した。

マスク氏とスペースXからのコメントは得られておらず、国防省を含むウクライナ政府も現時点で返答していない。

直近の障害が始まったのは10月24日で、事情に詳しい関係者によると、ウクライナ軍にとって「大きな問題」になった。この人物によると、資金不足のために端末の接続が切断されたという。

これによりウクライナが3月に英企業から購入し、戦闘関係の作戦に使用されていた端末1300台が影響を受けた。

事情に詳しい関係者によると、スペースXはこの1300台の接続維持のための費用として、ウクライナ軍に1台あたり月2500ドルを請求しており、9月までの総費用は2000万ドル近くに上る。最終的には支払いの継続が不可能になる可能性があるという。

ウクライナ軍が何台の端末を運用しているのかは不明だが、最近停止した1300台はそのうちの大きな部分を占める。7月にはウクライナ軍総司令官がマスク氏への書簡で、さらなる供与を要請。軍はこれまでに約4000台を配備したとしていた。



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