
キーウ上空で、建物に攻撃する数秒前に撮影された無人機(ドローン)(10月17日、AP)
【ワシントン=田島大志】米CNNは4日、米情報機関の分析として、イランがロシアに対し核開発を巡る援助を要請したと報じた。イラン核合意の立て直しに向けた協議が破綻した場合に備えているとの見方を伝えた。

ウクライナのゼレンスキー大統領(ロイター)
報道によると、イランは核物質の提供や核燃料の製造に関する支援を求めているが、ロシアが応じるかどうかは不明だという。ロシアは核開発抑止を柱とする核合意の当事国で、イランの核兵器保有に反対している。軍事転用が懸念されるイランの核開発拡大をロシアが受け入れた場合、米政府は大きな方針転換につながる可能性があるとみて警戒を強めている。
米政策研究機関「戦争研究所」は5日、ロシアにイラン製無人機(ドローン)を提供する見返りに、イランが核開発への支援を求めているとの見方を示した。
イランがロシアに少数の無人機を供与したとイランの外相が述べたことについて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5日、「この説明もウソだ」と反論し、大量の無人機が供与され続けていると非難した。
一方、ゼレンスキー氏は黒海での防衛力を強化するため、無人艦艇などによる艦隊を編成する考えを示し、各国に支援を呼びかけた。ロシアはウクライナの穀物輸出に関する合意を一方的に停止した際、「ウクライナが露黒海艦隊への攻撃に無人艦艇などを使った」と主張しており、露側が再び反発を強める可能性がある。