記者団に語る北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長=9日、英ロンドン
(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は9日、CNNの取材に対し、ロシア軍の一部がウクライナ南部ヘルソン州で撤退したことについて、NATOによるウクライナへの支援が成功していることを示すものだと述べた。
【画像】英国のスナク首相とNATOのストルテンベルグ事務総
ストルテンベルグ氏は「ウクライナ軍の勇気と決意、関与を示すとともに、継続的な支援の重要性を示している」と述べた。
ストルテンベルグ氏は「先進的な装備を持つウクライナ軍の訓練とウクライナ軍の勇気が組み合わさり、ヘルソン周辺でも目撃している通り、領土を獲得して解放することが可能となっている」と語った。
ストルテンベルグ氏の発言の前、ロシアの国営メディアは、ロシアのショイグ国防相がヘルソン州のドニプロ川西岸からの軍の撤退を指示したと報じていた。
米国防総省のコリン・カール次官(政策担当)は8日、ロシア軍は2月にウクライナへの侵攻開始以降、「数万人」の死傷者が出ていると明らかにした。
ストルテンベルグ氏によれば、ロシア軍の損耗について、NATOも同様の分析をしているという。
ストルテンベルグ氏は「我々も同様の分析で、ロシアが大きな損失を出しているとみている。ロシアは陸上部隊の約80%をウクライナに投入しており、人員だけでなく装備や、特に先進的な弾薬についても大きな損失が出ている」と述べ、NATOや同盟国の支援によってウクライナが獲得できたものを示しているとした。
ストルテンベルグ氏は、ロシアにはまだ多くの軍事力が残されているとして、過小評価すべきではないと警告した。
ストルテンベルグ氏はまた、英国のスナク首相とロンドンで会談した後、英首相府の前で記者団に対し、ウクライナがより多くの領土を解放したことに勇気づけられると述べた。
ストルテンベルグ氏は、ロシア軍撤退の報道は認識しているが、実際に戦場で何が起こっているのか分かるのを待ちたいとした。スナク氏との会談は生産的だった述べ、英国は重要で主導的な立場にある同盟国だとの見方を示した。