「すべて売り切れ…調達はすでに戦時状態」エネルギー世界争奪戦 大丈夫か⁈ニッポン【報道1930】


「すべて売り切れ…調達はすでに戦時状態」エネルギー世界争奪戦 大丈夫か⁈ニッポン【報道1930】

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■「日本から失われた輸入LNGの50%がヨーロッパに、50%が中国に行ったということだ」

更に今までヨーロッパは、パイプラインで天然ガスをロシアから輸入していたため、LNGの施設なども充実しておらず、限られた量しか買えなかったが、今後はロシア産を買うわけにもいかず、施設を作っているため、カタールからの輸入は増える。また、中国は来年以降も買い手になる。そのため日本のLNG購入は来年以降更に厳しくなるとブース氏は言う。実は日本の大手の会社は1997年以来、カタールから年間550万トンのLNGを購入する契約を結んでいた。この契約が去年切れ、日本は契約を更新しなかった。理由は契約が20年以上という長期契約と、他国に転売しないという条件を飲めなかったためだ。もちろん今年の状況を予測出来るはずもなかったが、他にも長期契約できない事情があった。

エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)調査役 原田大輔氏
「去年の11月というと、COP26がグラスゴーで開かれ、世界の脱炭素の潮流がピークに達した時だった。企業にもコンプライアンスが求められる中で、今後20年炭素を出すエネルギー源を使うのかっていうことと、原子力発電所の再稼働も持ち上がっていた…。そういう時にLNGの20年30年という契約をするのはどうなのかなと…」さらに価格の面でも疑問はあった。日本の平均購入価格は、スポット購入額より高めだったが、去年の夏以降LNG価格が高騰。契約更新の11月には、スポット価格が何倍にも跳ね上がっていた。

エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)調査役 原田大輔氏
「天然ガスの価格というのは今が非常に異常な状態でして、エネルギー危機の状態。いくつかのクライシスが起きている中の3番目のクライシス。これを去年の更新の時期には予見できなかった」かくして日本が手放してしまったカタールのLNGの半分が、ヨーロッパに流れることとなった。



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