ウクライナ軍とロシア軍の戦い、攻勢を止めても敵が戦力を回復するだけ

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ウクライナ軍やロシア軍も生産拠点を直接攻撃できないため「攻勢を止めた分だけ敵戦力が回復する」というジレンマに直面、両軍とも次の動きにを企画していることだけは確かだが、まだその狙いが何なのかについては謎が多い。

ウクライナ軍もロシア軍も互いに生産拠点を直接攻撃できないため「攻勢を止めた分だけ敵戦力が回復する」というジレンマに直面

ウクライナを舞台にした9ヶ月間の戦いは州都ヘルソンをロシア軍が放棄するという展開を迎え、戦いの主導権を握っているウクライナ軍は報道官を通じて「次の動きを計画している」と明かしたが、ヘルソン州のドニエプル川右岸から左岸に前進して敵に追加の後退を強いるには「ロシア軍を撤退に追い込んだドニエプル川に掛かる橋の修復」が必要になり、左岸のロシア軍は15km~20kmほど川沿いから離れた地域に布陣して右岸の都市やインフラを砲撃してウクライナ軍の前進を阻止しようとしている。

ウクライナ軍とロシア軍の戦い、攻勢を止めても敵が戦力を回復するだけ

出典:Google Map ヘルソン州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

ウクライナも安全が確保されたとは言い難いドニエプル川右岸地域からの住民避難を開始、両軍が申し合わせたように川を挟んだ砲撃戦の準備を進めている格好だが、戦争研究所は「ウクライナ軍がキンバーン砂州の敵陣地に攻撃を仕掛けており、ここを確保できればドニエプル川を渡河するより安全にロシア軍が支配する左岸地域に入れる」と指摘しているが、ある程度前進してドニエプル川沿い確保しないかぎり補給がシンプル過ぎてリスクが高く、逆にロシア軍にとっての理想なキルエリアになるかもしれない。

そもそもウクライナ軍にとっての「次の動き」はドネツク州、ルハンシク州、ザポリージャ州を選択することも出来るため、必ずしもドニエプル川の渡河が必要になる右岸から左岸への反撃に拘る必要はなく、もう暫く様子を見てみないと次の動きを推測するのは難しいだろう。

ウクライナ軍とロシア軍の戦い、攻勢を止めても敵が戦力を回復するだけ

出典:Google Map ドネツク州の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

逆にロシア軍の主な冬の任務について英Economist誌の調査部は「ウクライナ軍の前進をドニエプル川で食い止めこれ以上の撤退を防ぎ、クリミア上空の防空シールドを強化することだ」と指摘、元豪陸軍少将のミック・ライアン氏も「冬場に2023年の攻勢計画を立案して弾薬を集積を進め、ウクライナのインフラに対する攻撃を継続するだろう」と予測、つまりロシア軍は冬場に大規模な前進を企画しておらずドネツク州での攻勢も「敵戦力を拘束」が目的で春を待つという意味だ。

ただ米シンクタンクのアトランティック・カウンシルは「ヘルソン市放棄をプーチン大統領に売り込むためスロビキン総司令官は『ドネツク州制圧』を確約した可能性が高い」と見ており、最近のクレムリンが発表(ヘルソン市放棄、和平交渉の要求、キーウ政権交換の否定)した方針についてもワグナーに所属するロシア人ブロガーが「明確な目標がないままロシアは漠然と戦争をしている」と批判しているため、春まで積極攻勢を控えるという消極的なプランが採用されるか非常に怪しい。

ウクライナ軍とロシア軍の戦い、攻勢を止めても敵が戦力を回復するだけ

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

結局ところ西側諸国から支援を受けるウクライナ軍も、戦時体制に移行して米国の制裁を恐れない国から支援を受けるロシア軍も互いに生産拠点を直接攻撃できないため「攻勢を止めた分だけ敵戦力が回復する」というジレンマに直面しており、個人的には「両軍とも攻勢を止める理由は何処にもない」と思っているが「何処で攻勢に出るか」は悩ましいところだ。

因みにロシア軍はHIMARSの射程外にある兵站ルート=ジャンコイ~メリトポリ間の鉄道や道路の拡張・補強に乗り出しているという報告があり、今のところウクライナ軍が保有する武器(最も警戒が厳しいこのルートにパルチザンが接近できるのかは不明)では手が出せない。

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※アイキャッチ画像の出典:Оперативне командування “Південь”

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