![「習近平退陣!」中国各地でゼロコロナへの抗議デモ…方針転換できない“中国の弱点” 「習近平退陣!」中国各地でゼロコロナへの抗議デモ…方針転換できない“中国の弱点”](https://jp24h.com/wp-content/uploads/2022/11/20221130-00551567-fnnprimev-000-1-view.jpg)
FNNプライムオンライン
習近平国家主席の指示のもと、徹底したゼロコロナ政策で新型コロナを封じ込めてきた中国だが、感染者数は増加し過去最多を更新している。北京や上海などでは習近平政権を直接非難する大規模な抗議デモが行われ、国民の不満が全土に広がっている。BSフジLIVE「プライムニュース」では台湾の統一地方選挙も含め、専門家とともに検証した。
【画像】5日連続で過去最多を更新 中国の感染者推移
中国各地でゼロコロナ政策に反発のデモ 習近平政権を揺るがす可能性は
新美有加キャスター:
中国の新型コロナの感染者数は11月27日に全土で4万人を超え、5日連続で過去最多を更新。北京や上海などで大規模な抗議活動が行われ、その様子がツイッターなどのSNSで世界に拡散された。現地の様子は。
FNN北京支局 河村忠徳記者:
今回のデモの特徴は、参加者が真っ白な紙を持っていること。参加者によれば「これが今の中国を表している。ゼロコロナ政策への不満をSNSに書き込んでも、当局の検閲によって消されてしまう。国内メディアもデモを報じない」。一方、北京のデモでは上海のように警察官が強権的に抑え込むことはなかった。当局はある程度のガス抜きは必要として容認していると感じた。
反町理キャスター:
北京におけるコロナの感染状況、日常生活はどういう状況か。
FNN北京支局 河村忠徳記者:
市民はいつ自分たちの住居や会社が封鎖されるかわからない。個人のスマホに、あなたは感染のあるエリアにいた可能性があるから外出禁止だと連絡が来る。中国では建物に入るたびにQRコードをスキャンしなければならず、誰がいつどこに行ったか全て把握されている。ただ、北京では建物ごとに封鎖されるという点で以前より緩くなっている。地方では変わらず、エリア全体が封鎖されるところもあるようだが。
富坂聰 拓殖大学海外事情研究所教授:
北京は地方に比べ最小限のことをやろうとしているが、地方は切り替えが遅れており不満が溜まっている。
ジャーナリスト 高口康太氏:
中国では、中央の指示を下の層が行うときには、命令された以上に厳しく規制しなければいけない。中央政府はどこの地方政府が勝手に規制強化していると名指しで指弾したりしているが、それでクビになった官僚はいない。逆に感染者をたくさん出してクビになった官僚はいる。感染者を出さない方向に力をかけた方が保身につながる構造。
反町理キャスター:
ただ、そうして締め付けた結果デモに。これに対して中央からのペナルティが来る可能性は。
ジャーナリスト 高口康太氏:
大きい。このデモがゲームチェンジャーになる可能性はある。コロナ対策もデモ防止もせねばならず、地方の官僚はしんどい状況。
矢板明夫 産経新聞台北支局長:
習近平政権が「コロナは後遺症がひどくて働けなくなる」とずっとウソをついてきたことに対して、不信感が高まった。天安門事件以降、中国人がみんなで政府に抗議することはなかなかできなかった。だが今回は、党大会後もロックダウンが終わる見通しがないこと、経済活動が停滞し生活に危機が迫ること、警察官が各地でさほど強硬手段に出ていないことの3つがあり、一気に広がったのでは。
反町理キャスター:
「習近平退陣せよ、共産党退陣せよ」「自由万歳」という言葉も飛び交う。天安門事件のような大きな政治的うねりになるか。
矢板明夫 産経新聞台北支局長:
可能性はあると思う。天安門事件のときは学生たちが民主化を求めたのに対し、今回はロックダウンを解除してくれという非常に小さな要求。だが騒ぎが大きくなれば、要求もエスカレートする。今の時代、白い紙を持とうという指示も携帯電話ですぐに広まる。
富坂聰 拓殖大学海外事情研究所教授:
これしかないという一択でゼロコロナ政策をしてきている中国は、解除の決断を簡単にはできない。医療資源も限られている。ゼロコロナを掲げながら、どうミニマムな変化をしていくか。