
“ゼロコロナ政策”に不満が爆発
隔離や封鎖など、厳しい“ゼロコロナ政策”を続ける中国で抗議活動が激化し、大勢の市民が公然と政権を批判する異例の事態が発生しています。言論統制が厳しい一党独裁の国・中国で今、何が起きているのか?北京から森本隼裕記者が、現地の様子を伝えます。

NNN北京 森本隼裕記者
(NNN北京 森本隼裕記者)
「中国で異例とも言える抗議が広がりを見せていますが、その背景の一つは長引く不況、生活への打撃です。北京の中心部にある外国人にも人気の観光地・胡同は、古い町並みを生かした、飲食店や雑貨店などが南北にずらりと並ぶエリアなのですが、今はほとんどの店が閉まっていて、閑散とした状況です。今日は平日ですが、土日に来ても状況は変わらず、寂しい雰囲気となっています」

閑散とした観光地・胡同(11月29日)
(森本記者)
「この状況は今に限ったものではなく、中国ではこうした状況が約3年もの間、何度も繰り返されています。そのため、『もういい加減にしてくれ!』という不満が噴出したのが、今回の抗議活動に繋がったのだと思います」

PCR検査はほぼ毎日
Q.中国では新型コロナの感染が広がっているということですが、何をするにもPCR検査を受けるということでは、無症状の人を含めるとある程度の人数は出てきますよね?
(森本記者)
「そうですね。これだけ毎日のようにPCR検査を受けさせられているので、当然あぶり出されてしまいますし、それで一人でも感染者が出れば、その地域一帯の人がまとめて封鎖されてしまうという状況がもうずっと続いていますので、本当にストレスの多い生活状況になっています」
Q.森本記者も、1日に1回ぐらいのペースでPCR検査をしているのですか?
(森本記者)
「毎日受けなければいけないという決まりはないのですが、実際の所、私たちが取材で行く中国当局の関連施設や一般の商業施設でも、『24時間以内あるいは48時間以内の陰性証明が必要だ』と言われることが多いので、やはり1日に1回、あるいは2日に1回検査を受けるのが当たり前になっています」